むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • もつ鍋は体にいい

    福岡に行くと、気がつくのは、あちこちにもつ鍋屋さんがあることです。熊本にも店はありますが、めったに行くことはありません。ましてや一人で食事という場合、もつ鍋屋さんが選択肢に浮かぶことはないと思います。しかし、博多をぶらぶらしていると一人もつ鍋1200円とか、どこにでもあります。まだ入ったことはないのですが、今度行ったらもつ鍋にしようと思いました。

    もつ鍋はとても健康に良い食べ物だと思います。まず、もつに含まれるコラーゲン、ビタミンB、ミネラルなどは他のメニューでは達成できないレベルの高栄養だと思います。しかも低カロリー!また、ニラやキャベツがたくさん入るのでビタミンA(ベータカロチン)、ビタミンCなども豊富です。こんなに理想的な食べ物はないと思います。肉食動物が狩をする際に最初に食べるのが内蔵だと言われます。肉食獣にとって大切な栄養が内蔵にたくさん含まれるからです。同じことはヒトにも言えると思います。通常私たちは筋肉の部分を喜んで食べますが、ヒトが肉食動物だとすれば、もつを食べるのは古来からの生物学的な理にかなっていると思います。

    ヒトが穀物を食べるようになったのは日本で言えば弥生時代から後です。農耕文化が確立する以前は狩りの世界でした。穀物は食べたとしても木の実程度だったと思われます。人類の歴史が300万年だとすると、弥生時代から近日まではまだ3000年ほどしかたっていないので、人類の歴史の千分の1くらいしか穀物をたくさん食べる時代を過ごしていません。どおりで穀物の食べ過ぎで糖尿病になったり、自律神経失調症になったりするわけです。こんな人類の歴史と食生活の変遷を考えても、もつ鍋というのは体にいいにちがいないと確信したところです。

     

    ソウル

  • 旧ブログのご案内

    この週末はセンター試験ですね。うちの子供は入試も終わり今年は平和に暮らしています。現行のセンター試験は今回で最後らしいのでどうしても今年通って欲しいですね。

    土曜は漢方のセミナーに参加するため福岡に行きました。とても人気の会で参加者は100名を超えていました。こんな勉強会が福岡ではちょくちょくあるので羨ましいですが、最近は新幹線のお陰で福岡の勉強会ならさっと行けるようになりました。土曜の午前中の診療は50名を越すので午後はぐったりです。うっかりすると新幹線は大阪まで行ってしまうのでしっかりおきていないといけません。

    ところで、毎日よくブログ続きますね、大変でしょう、と言われますが、実はこのクリニックのブログを立ち上げる前は趣味で写真を毎日アップするブログを5年以上書いています。現クリニックのと合わせると7ー8年書き続けています。最近その古いブログを新しいサイトに引っ越しました。旧ブログには震災前の壊れていない益城の風景も沢山あります。おヒマでしたらご覧ください。

    https://murakaz.hatenablog.com/

    ソウル 明洞

  • 日常にときめきを

    インフルエンザが警報レベルに達しました。特に熊本は全国的にも発生が多いみたいです。クリニック近くの小中学校は軒並み学級閉鎖になっています。一方、クリニックの患者さんでは感染性胃腸炎も急に増えてきました。冬場に下痢したり吐いたり急にお腹が痛くなる場合、たいていは感染性胃腸炎です。悪化すると水も受け付けなくなりますので、早めに受診されることをおすすめします。当院では胃腸炎の患者さんには漢方を処方しています。なぜなら、抜群によく効くからです。早い場合、1回飲んだだけで効果が実感できます。漢方が苦手な人のために、錠剤やカプセルもあります。

    夕方、NHKでちこちゃんの番組を見ていたら、興味深いことをいっていました。子供の頃長かった一日が大人になってあっという間に過ぎるのはなぜ?番組によると、時間の流れが早くなってくるのは20歳を過ぎてからだそうです。その差は・・・ときめきの量の違いだそうです。例としてあげていたのは夕食のシーン。子供は、「晩ごはんなに?やった、ハンバーグだ!うん、美味しい!おかわりある?やった、もう一ついただき!」みたいな感じで、一つ一つ感動とときめきを感じながら生きています。一方、大人になると「いただきます。・・・ごちそうさま」おわり。たぶん食事中も携帯を見ながらうわのそら。なにを食べたか、どんな味だったか覚えていない。知らないうちに一日が過ぎてしまっている。そして気がつくと一年が過ぎている。

    仕事が忙しいとあっという間に一日が過ぎます。私も、気がつくと1週間が過ぎ、1ヶ月が過ぎてしまいます。その中でいくつときめきがあるか。大人になったら自然とときめくということは少なくなります。一通りの人生経験が、あらゆることに慣れをもたらすからです。そこで、ときめきを意識的に作るには、「慣れないことにチャレンジすること」だとおもいます。まだ行ったことのないスーパーに行ってみるとか、いつも道の右側を歩いて通勤するとき、左側を歩いて見るとかだけでも新しい発見があります。ときめきのチャンスとなることでしょう。

    ソウル 明洞 

  • マスクの話

    下通りなどを歩いていると、時々若い人たちが黒いマスクをして歩いているのを見ますね。この黒いマスク、異様な感じがしますが、実は殆どが韓国からの観光客です。今回ソウルを歩き回って見ると、マスクをしている人がかなり多かったのですが、8割位の人は黒でした。黒が流行っているのだと思いますが、詳しくは知りません。むかしは、マスクをするのは日本人くらいだと言われていました。欧米ではマスクをするのは手術室に入る外科医くらいで、普通の人はマスクはしません。もししていたら、犯罪者のような悪いイメージしかありません。日本の犯罪者といえば、むかしなら唐草模様の風呂敷を頭に被り鼻の下で結ぶいわゆる「どろぼー」スタイル。現代では、スキーの目出し帽にサングラスですね。

    以前から、韓国人はなぜ大勢マスクをしているんだろうと疑問だったのですが、行ってみてわかりました。ソウルの大気汚染は凄まじいです。中国から流れてきたPM2.5なのか、自国で発生しているのかは知りませんが、空が霞んでいました。慢性気管支炎のような変な咳をしている人も見かけたので、公害は深刻なようです。ソウルではまだ道端でたばこを吸う人が大勢いました。今や日本では考えられない風景です。おそらく今後肺がんが相当増えてくるのではないかと心配します。

    ところで、マスクをすることは感染予防にはほとんどなりません。咳やくしゃみをした際にツバを飛ばさないくらいの効果です。病院に行くときやバスに乗る時マスクをするというのは無意味です。マスクは風邪を引いている人がすべきもので、健康な人がしても役に立ちません。唯一予防効果のあるN95マスクというのはウイルスも通さないのですが、マスクと鼻の間にわずかでも隙間があると意味がないので、ぴっちりとはめないといけません。そんなことでは息苦しくて仕事になりません。そういうわけで、私は診察中に一切マスクをしません。インフルエンザとわかっている患者さんを診察するときでさえ、です。

    ソウル 明洞(ミョンドン)の屋台

  • チゲ鍋で薄毛治療(?)

    今から20年以上前になりますが、私が大学院生だった頃に血液凝固の事や研究のいろはを教えてくれた担当教官のO先生という人がいました。とても頭が切れて、性格も私とは丸反対で自分にないところをたくさん持っている先生だったので、毎日刺激的でした。そのO先生は熊本から他大学の教授となって出ていかれたのですが、ひょんなことからこの先生の研究テーマは血液凝固学をやめて「薄毛の治療の研究」となりました。その研究は以前熊本におられた頃にすこし聞いたことはあったのですが、本格的に研究されたのは他大学の教授になった後でした。

    その後、研究結果が商品化され、薄毛の男性をモニターとして募集していたのですが、半信半疑でした。その内容とは、「カプサイシンとイソフラボンを同時にとると薄毛の治療になる」というものでした。カプサイシンとは唐辛子の辛味成分です。イソフラボンは大豆に含まれる女性ホルモンに似た働きをする物質です。カプサイシンはそのままでは辛くて飲めないのでカプセルになっていました。そして、それを料理でとりたいなら、湯豆腐に一味唐辛子をかけて食べなさいと言われていました。そんなんでハゲが治るのか!?という感じでした。

    湯豆腐に一味という発想があまり良くないです(旨くなさそう)。もっと本格的な食べ方を考えれば、豆腐チゲ(ズンドゥブ)ですね。韓国料理で豆腐を唐辛子スープで似たもの、これこそO先生の目指していたものではないか?それを思い出したので、20年越しの疑問を検証するため、韓国人はハゲが少ないかを歩いて見て周りました。その結果、たしかに少ないようです。ソウルは熊本より人口構成が圧倒的に若く、高齢者の割合が非常に少ないので、目立たないのかもしれません。また、ネットで調べると韓国人は見栄っ張りだから、かつらを使う人も多いと書いてありますが、それにしても薄毛が少ないのは事実のようです。これは、今度の韓国旅行での重大な発見でした(笑)。

    ソウル 南大門