むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 風邪の予防法

    血圧の薬やコレステロールの薬は簡単です。飲んでもらえば結果が出ます。しかし、医療においてそのようなものは例外的です。人の体はそんな単純ではありません。例えば今流行りの風邪。風邪にかかってばかりいるのでなにか免疫を上げる漢方をください、みたいな相談がしょっちゅうあります。風邪を予防する漢方はないことはありません。補中益気湯や玉屏風散などは非常に効果的です。しかし、それだけで満足してはいけません。多くの人がインフルエンザの予防注射をしたから大丈夫みたいに簡単に考えていますが大間違いです。予防注射なんて、ほとんど効きません。インフルエンザにかかった人に聞いてみると、たいていの人がワクチンを打っています。逆に風邪を全然ひかないという人に聞くと、ワクチンなんて打ったことないと言われます。

    結局、生活習慣全体の問題です。風邪の対策としてどんな事があると思いますか?きっとご存知のことと思います。ワクチン:ちょっとだけ効きますが、個人のレベルでは効果はわかりません。学校全体とか、国民全体とか、集団で考えると打ったほうが多少いいみたいです。そのくらいの効き目です。うがい:効きません。ほとんど無駄です。手洗い:最も重要です。アルコールの手指消毒:有効です。マスク:予防にはなりません。かかった人がかけておくとくしゃみなどの飛沫が遠くまで飛ばないので予防効果があります。ビタミンC:体内でウイルスと戦うインターフェロン産生に重要なので、とったほうがいいと思います。

    その他の食品で有効とされるもの:納豆、ヨーグルト、味噌などの発酵食品。ネギ、玉ねぎ、ニラ、にんにくなど匂いの強い野菜。しいたけを始めとするきのこ類。これらの食品は全部重要です。私は毎日全部欠かさず取ります。1つ2つかけても仕方ありませんが、何か一つではだめです。LG21ヨーグルトとか、ブランド物はいいような気がしますが、関係ありません。それだけでなく、ネギも納豆もしいたけも毎日食べることです。そういう努力なしに風邪ばかり引いて困るので漢方ください、というのは基本が間違っています。