むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 雨の日の頭痛に漢方

    あと10日で新年というのに何という暖かさでしょう。雨になりました。この冬は暖かい日が多くて過ごしやすいですね。しかし、今日のような雨になると頭痛がして調子悪いという患者さんが何人も来院されます。雨の降る前の頭痛はたいてい片頭痛です。女性で生理前に頭痛がするというのもおなじです。

    漢方では、このような頭痛の病態に「湿の異常」を考えます。利水作用のある(体内の余分な水分を処理してくれる)漢方を用いることで頭痛が治療できます。五苓散、苓桂朮甘湯、当帰芍薬散といった薬です。イブなどの鎮痛剤はその時の頭痛は一旦軽くなっても、薬が切れるとまた痛くなります。根本的な解決になっていないからです。また、胃や腎臓に副作用があるため、あまり繰り返し使うことはお勧めできません。いっぽう漢方だと、殆どの場合は副作用の心配はありません。頭痛がしてから飲んでもいいし、天気が悪くなるとわかっていればあらかじめ飲んでもいいと思います。

    生理前に頭痛がする人は、当帰芍薬散などを毎日1回は飲むようにして体質改善を行います。そして、生理前の1−2週間は一日2−3回と飲む回数を増やすか、五苓散を追加するとうまくいきます。体に水分が溜まりやすい体質の人は胃腸が弱いことが多いので、冷たいものを食べたり飲んだりするのをひかえたほうがいいと思います。