むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 漢方で免疫を高める

    土曜の夕方は、恒例の漢方の勉強会でした。私も以前勤めていた桜十字病院の岡先生に講演していただきました。桜十字病院は私がいた頃にたくさんの漢方薬を採用してもらった都合上、今も積極的に漢方を使っています。入院中の患者さんにもたくさんの漢方を使います。

    なかでも画期的なのは、MRSA(多剤耐性菌)に対する漢方治療です。免疫機能を高める人参養栄湯を使うと、MRSAで苦しんでいる患者さんからMRSAが消えてしまいます。抗生物質だと菌と抗生物質の戦いなので、菌のほうが強くなれば、更に強力な耐性菌となります。抗生剤の開発と菌の耐性獲得のイタチごっこですが、菌のほうが圧倒的に先をいきます。抗生剤はこの先10年以上新しいものが出てくる事はありません。どの製薬メーカーも開発治験をしていないからです。

    人参養栄湯は菌と直接戦わず、人間の免疫を高めることで菌を排除してくれます。理想的な戦いです。寝たきり高齢者は肺炎になったり褥瘡ができたりで感染症でなくなることが非常に多いので、人参養栄湯は非常に役に立ちます。漢方を勉強していれば、こんなこと当たり前過ぎてわざわざ言うまでもないことなのですが、西洋医学しかやらない先生は信じないかもしれません。ただ、せっかく処方しても漢方が苦手で飲めないと言う方が結構います。我慢してでも飲むか、飲まないと断るかで命に関わる分かれ道となります。

    人がたくさんいるのは無料のドッグランです。道の駅久木野

  • 東京は国際化していた

    2年ぶりの東京から帰ってきました。以前は東京でタクシーに乗ると熊本には走っていないグレードのクラウンのタクシーが結構ありました。クラウンはこんなに静かでなめらかに走るんだと感動したものです。しかし、今回東京に行ってみたら、オリンピック用に新しく開発されたジャパンタクシーばかりです。最近は熊本にも結構走っていますね。軽ハイトワゴンを少し大きくしたようなやつです。聞いた話では、アクアをベースにしたものだそうなので、プリウスの弟分です。クラウンに比べれば乗り心地は全然違います。私の前に並んでいた中国人は荷物が多すぎて小さなジャパンタクシーに積むのは難しそうでした。

    それにしても、東京は外国人だらけでした。ちょうどワールドカップの決勝があったのもあるかと思いますが、中国人より白人が多かったです。東京フォーラム前でたまたま大江戸骨董市というのがあっていたのですが、客の2−3割は外国人です。骨董屋のおじさんたちもみんな英語で対応していました。びっくりしました。東京の国際化はかなりすすんでいます。(京都の舞妓さんが英語を話すのは当たり前ですけど・・)

    しかし、最終的に飛行機に乗るとCAさんの英語の下手なこと。がっかりするほど下手な発音です。でも、最近びっくりしたのはJR九州で新幹線に乗ると車掌さんの車内アナウンス(到着前に乗換案内などをするもの)で、「アテンションプリース」というもの。どの時代の英語だろうと思います。ちゃんとネイティブに指導してもらったほうがいいと思います。

    有楽町駅近く。歩いているのは全部白人!

  • 連休ですね

    ラグビーは決勝だったみたいですね。私は結局1試合も見ませんでした。わたしは、野球もサッカーもみません。オリンピックもみません。見る時間がない、興味もない。極めてマイペースなので、ブームは関係ない、そんな感じです。この週末は月初でレセプトチェックの週末です。先月はレシチンを飲み始めて頭脳が明晰になり、どんどんチェックしたら目が限界に達したのか、夜寝ていてめまいで目が覚めました。それから一月、めまいはだいたい落ち着きましたが、用心のため一日にチェックするレセプトは300枚としました。

    しかし、このペースでは毎日やっても1週間かかってしまいます。そんなペースでは間に合いません。試しに200枚ほどスキャナでスキャンしてiPadに入れてみました。アップルペンシルがあれば紙のレセプトをチェックするのと同じです。プリントしたものをみるよりいいかもしれません。あっという間に200枚のチェックが終わりました。

    今週末は連休です。天気も良さそうなので行楽日和です。私は久しぶりに東京にきています。子供達と会ってしばしの休養です。良い週末をお過ごしください。

  • ビタミンは安くて大量がいい

    先日、漢方の師匠である牟田先生が亡くなりましたが、葬儀に間に合わなかった吉冨先生(四国に移住されています)がお参りに来たので、久しぶりに牟田先生の門下生だった仲間が集ってしのぶ会をしました。八代の荒木医院院長先生、谷崎MAクリニックの院長先生などが来られました。それぞれ、牟田先生とのいろんな思い出話に花が咲きました。漢方の師匠といえば、家元のようなものです。漢方にもいろんな流派があるのですが、その中でも中医学を理論的に駆使しながら古典を解釈するのが特徴でした。おかげで、熊本は牟田先生の門下生が県下に漢方を広めたため、全国でも珍しく日本流の古方という流派より中医学をしている人が多いのが特徴です。

    さて、今日は患者さんから嬉しい報告がありました。私が以前見た高校生で、倦怠感が強いとのことで、ビタミンなどを使ったセルフケアを指導しました。その後、忠実にその教えを守った結果、とても元気になり今では活発に部活動にも参加できているとのことを伺いました、嬉しい限りです。

    私がすすめるビタミンはかなり大量です。その代わり安く買えるブランドを勧めています。日本製はやたら高く、1ヶ月分で3000円とかするものばかりですが、アメリカ製を個人輸入すると1ヶ月あたり数百円です。安いものでも、十分量取ることで素晴らしい効果があります。高いものを少し取るよりずっといいと思います。例えば、ビタミンcを風邪予防に取るときは1日1000mgくらいでいいですが、風邪の治療には5000mg以上必要です。

    萌の里

  • 第三医学という漢方流派

    生け花や茶道に流派があるように漢方にも流派があります。日本独特の古法、中国の中医学というのが大きな2つの柱です。表千家と裏千家みたいなものです。私は最初から中医学を勉強してきましたので、今でも古法の流派の人が発表する内容はあまりピンときません。ただ、日本で漢方をやっている人の割合は、古方のほうが圧倒的に多いです。しかし、中医学のほうが理論整然としているため、若い世代で漢方に取り組んでいる人は中医がかなり増えています。

    そんな中、第三医学という流派が最近話題です。中医でも古法でもない第三の漢方流派という意味ですが、これまでは山本漢方と呼ばれていました。提唱した山本巌先生の流派です。私も、この10年くらいはもっぱら山本漢方(第三医学)をやっています。独学ですが、座右の書は山本巌先生の漢方の解説本です。困ったときはいつもそれを読みます。

    実は、先日フクロウ型の漢方治療をやっていますと書きましたが、このフクロウ型というネーミングは山本巌先生です。10年以上前に東洋医学会でフクロウ型の治療を発表されていた先生がいて、それが誰だったかは覚えていないのですが、発表内容はとても印象的でした。それ以来私もフクロウ型人間の漢方治療にずっと取り組んでいます。久留米大学から私に声がかかったのも、そのような背景を知ってのことだったようです。これを機に、第三医学の勉強会にも積極的に参加してみようと思っています。

    博多 住吉神社