むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 副作用を気にしすぎると治るものも治らない

    9月は連休が2回もありますね。例年だとシルバーウィークとなるところですが、今年は2つの連休に分散された形です。当院も月曜が休診だった影響で火曜から土曜まで連日いつもの1−2割増しで忙しい1週間でした。そして今週末の連休ですが、あいにくの台風で天気が心配ですね。先週末にこの週末の連休の天気予報を見たら雨90−100%と出ていました。1週間も前から自信満々に高い降水確率だったのですが、一体どこからそれを予想しているのかわかりませんでした。すると、月曜頃にはヨーロッパの気象会社からもうすぐ沖縄南で台風が発生し、週末には九州に接近すると予報が出ました。びっくりです。まだ台風になっていない状況で、1週間後の台風の九州接近を予想していたのがまさに現実となった形です。最近の気象予報の正確さには驚かされます。しかし、気象庁ではなくヨーロッパから発表されたのは私としては意外でした。皆さん、天気には気をつけて連休をお楽しみください。

    先日、レシチンが頭に良いと思って飲み始めたら、以外にも肌がプルプルになったと書きました。このブログを良く読んでいる患者さんは、診察の際に私の顔の艶をまじまじと覗き込んでおられましたが、触ってみないとわからないと思いますよ(笑)。

    ところで、偽薬(ニセの薬)で効果が出ることをプラセボ効果といい、薬の主な作用が出ずに副作用だけ出るというのをノセボ効果と言うそうです。本当は副作用はわずか数%以下なのですが、副作用だけが出るという場合があるのです。なぜかというと、最近は薬局からもらう薬の説明の紙に副作用が書いてあるし、ネットでも副作用の情報が書いてあるからです。不思議と患者さんは薬の主作用には目もくれず副作用ばかり気にするので、気にする人には副作用が出るというものです。本当に治りたいなら、多少の副作用は目をつぶって効くと信じて飲むことです。プラセボ(偽薬)でさえ信じて飲めば効くのですから、信じないで飲んだり副作用を恐れて飲まないのが一番バカバカしい話です。

     

  • 医療AI(人工知能)の時代はすぐそこ

    いよいよGoogleが医療用AI(人工知能)の開発を始めたそうです。アメリカのメイヨクリニックと共同開発するとのこと。メイヨクリニックといえば、全米でトップクラスの病院です。そこにいるベテラン医師の思考パタンをAIに学習させ、更に一人の医者では一生かかっても経験できないほど大量の患者データを学習させることで、すごい医療AIが誕生すると考えられます。診断のつかない患者さんが病状を入力すると、ロボットが必要な検査を指示してきて、その結果を入力するとまたたく間に診断がついて治療方針まで提示する、みたいな世の中がもうすぐ目の前です。医者のいない田舎でもネットを通じて診断が可能になると思います。

    そういう世の中になれば、診断を得意とする総合診療医はAI(ロボット)に取って代わられると思います。内科だけでなく、画像診断をする放射線科医もAIが追い越すと思われます。そうすると、これからの医者で本当に患者さんから必要とされるのは、手術のうまい外科医と、患者さんの話をじっくり聞いていやしを与えることのできる精神科医などでしょう。逆に、血圧や糖尿病などの管理は、ロボットにできます。日々のデータ(血圧や血糖値)を入力すれば、薬をちゃんと飲むようにとか、最新の論文をもとに、もっといい薬を勧めたりと言うことはロボットがしてくれる時代になると思います。

    一方、看護師の仕事はロボットではできません。現在看護師さんたちの業務の半分以上は記録です。血圧などのデータや、患者さんの様子をカルテに書き留めること。これは、入院中の医療が適切だったかの証拠になるため、医療裁判などの際にきちんと記録されているかが需要な鍵となるため、疎かにできません。皮肉なことに、患者さんの世話をするより記録のほうが重視されている世の中です。おそらくロボットがこういう記録の部分を取って代わってくれれば、人手不足の中より良い看護ができる時代も夢ではないと思います。

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  • レシチン摂取:効果報告

    3日前からレシチンとホスファチジルセリンを私の常用サプリに加えたと書きました。実際には今朝の段階で2回飲んだだけなのですが、さっそく変化があったので、ご報告します。この2つのサプリは体内ではほとんど同じものなのですが、細胞膜を構成するリン脂質です。私がこれを飲もうと思ったのは、これら2つのサプリは脳内でアセチルコリンという神経伝達物質の材料となり、脳からの司令が改善するという理屈からです。朝から晩まで大勢の患者さんとお話して、データを分析して、病態仮設を立て、治療方針を考え、そのまとめをカルテに記載するという膨大な脳内処理を行うわけで、神経伝達物質のアセチルコリンが足りないと考えが遅くなるので、効率アップにつながると思ったわけです。

    そして、2日飲んで朝起きたとき、びっくりしました。頭が良くなった・・わけではありませんでした。起きて顔を洗ったところ、驚くほど肌がプルンプルンになり、まるで赤ちゃんのようなもち肌になっていました。50過ぎのおじさんが変ですが、あまりにすべすべの肌になってびっくり嬉しいです。ネットで調べたら、レシチンはコラーゲンと並ぶ美肌効果があると書いてありました。棚ぼたです。また、レシチンのようなリン脂質は人のような分子構造をしているのですが、頭の部分は親水性で水に溶けやすく手足の部分は疎水性で油に溶けやすい性質があります。

    この、親水性と疎水性の両方の性質を持つ物質は、ちょうど石鹸のように水と油の間に入って分離しなくする働きがあります。乳化といいます。そこで、レシチンを摂取すると、体内のコレステロールも溶けて動脈硬化が改善すると言われているようです。まだ検討が必要ですが、そんなにいいんだったら、なぜ保険で使える医薬品にないんだろうと思いますが、まずは自分で実験します。お先にどんどん若返って元気バリバリです。

     

  • よく食べる人は元気

    食が細い人は治療が難しいです。なんとか食べてもらおうとあれこれ考えますが、反応してくれないときはお手上げです。胃腸の調子が悪くて食べられない場合、胃腸機能を改善することでなんとかなるのですが、とにかく食欲が無いという人は治療困難です。スルピリドなど食欲増進作用のある薬を使いますが、反応してくれないと次に打つ手がありません。入院中なら点滴もありますが、通院患者さんだと限界があります。

    処方でビタミン剤をだすと、保険で査定されます。最近は湿布や花粉症の薬まで保険外しの話題で持ちきりですが、ビタミン剤も市販されているため保険では厳しくなっています。しかし、食が細い場合、ビタミンなどは絶対に不足しているので、体調維持にビタミンサプリは必須です。ぜひ、買ってでも飲んでいただきたいと思います。

    こういう、低栄養に対する取り組みを以前から頑張っている会社があります。ネスレです。ネスレといえば、コーヒーやキットカットの会社です。最近はネスカフェアンバサダーというインスタントコーヒーを機械で入れる仕組みを仕掛けて話題ですが、食が細くて健康に問題がある人用にいろんな補助食品を開発しています。先日友人の先生から味も良くて食べやすく、高カロリーのゼリーがあるというので、早速ネスレから購入手続きをしました。当院から訪問診療している患者さんには実費で小分けしたいと思います。その他、栄養不足が気になる方で興味があればご相談ください。購入方法をお教えします。

  • 私のサプリ:セリン、レシチンも仲間入り

    御存知の通り、私は毎日大量のビタミンやサプリをとっています。今日iHerb.comから新しいサプリが届きました。いまは毎日10種類くらいを飲んでいますが、これからあと2つ増えます。いま飲んでいるのは、ビタミンA10,000, B50, C1000, D10,000, E400, K100,ナイアシン、ビオチン、オメガ3,アルギニン・シトルリン、亜鉛50、マグネシウム250です。これらのうち、ビタミンA,D,Kは週1回で、それ以外は毎日です。今日届いたのはホスファチジルセリンとエッグ(卵由来)レシチンです。

    セリンとレシチンはリン脂質という栄養素です。細胞膜に含まれる重要な栄養素ですが、脳に運ばれてコリンという神経伝達物質の材料となります。したがって、頭の働きが改善し、認知症の予防効果や治療効果が期待できます。この2つのサプリを取ることで、私の思考力がどのように変化するのか今から楽しみです。

    会社などであまりに忙しいため、睡眠も食事も犠牲にして働いた結果、ある日突然思考能力が低下して、今までみたいに仕事ができなくなった、頭が働かない、といって来院される患者さんがあとをたちません。まずはゆっくり睡眠を取ること、食事をおろそかにしないことが大切です。睡眠薬によっては認知症を増やす心配があるので使用する際には注意が必要です。このような患者さんに今回のレシチンやセリンが効果的かどうかはこれからの検討課題です。

     

    久木野温泉「四季の森」から高岳、烏帽子岳を望む