むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 足のつりには芍薬甘草湯と言いますが

    いよいよ熊本城マラソンです。今年は天気にもめぐまれ、最高のマラソン日和です。ランナーの皆さん、練習の成果を存分に発揮してください。走るときには足がつりやすいですが、ご存知のように芍薬甘草湯という漢方薬がとても良く効きます。走る前に飲んでおいて、もちろん走るときにもウエストポーチにいくつか持って走ります。給水所ではアミノ酸サプリ、糖分補給とともに芍薬甘草湯です。以前私が熊本城マラソンに出たときに、びっくりしたのはウエストポーチにおにぎりなどの弁当持参の人を目撃したことです。普通、沿道から供給される果物や飴玉などを食べながら走るのですが、弁当持参とは恐れ入りました。

    芍薬甘草湯はマラソンのような運動で足がつるときだけの処方ではありません。年をとると不思議なもので寝ていても足がつることがあります。その際には寝る前に芍薬甘草湯を飲んでおけばバッチリ予防できます。その他、胃腸炎でお腹がいたいときなどにもよく効きます。

    芍薬甘草湯は子供でものめる甘い漢方で、とても良く効くので重宝します。しかし、長期に飲むと血圧が上がったり足がむくんだりする副作用が知られています。そのような副作用を避けるために私は長期投与する患者さんの場合芍薬甘草湯は使いません。代わりに十全大補湯を使います。十全大補湯は足のつりだけを治すのではなく、足がつりやすい体質そのものをじっくり治してくれます。漢方では本治といって、根本治療を意味します。

  • うちのスタッフは誰も風邪を引かない

    当院では毎日相当数のインフルエンザの患者さんを見ています。A型もB型もいます。そして、感染性胃腸炎もいます。とりあえず熱が高くてインフルエンザが疑われる場合、検査をします。鼻に細い綿棒をいれてウイルスの有無をチェックする検査です。鼻に綿棒を入れるので、多くの患者さんがくしゃみをします。当然その際に検査をしている看護師さんにはウイルスが大量に飛んできます。マスクをしていても、手袋をしていても、目の前でこっちに向かってくしゃみをされれば避けようがありません。しかし、すごいことに当院のスタッフは誰も風邪を引いたりしていません。素晴らしい!

    もちろん予防接種はしていますが、今年のワクチンは有効率が20%に満たないと報道されており、ハズレもいいところです。高いお金を出して打っているのだからせめて50%(五分五分)は効いてほしいと思いますが、過去の検証でもそんなに効いたことはめったにありません。それではどうしてうちのスタッフは風邪を引かないのでしょうか?仕事でストレスを抱えないこと。家庭でもストレスなく平和に過ごしていること。食事や睡眠が十分であること。これらが大前提です。ビタミンを毎日飲む。これは私が推奨しており、多くのスタッフさんが実践してくれていると思います。実はマスクにはほとんど予防効果はないのですが、患者さんがするのは拡散防止効果があります。しかし、私達が患者さんに接する時はマスクを外してもらってのどを見たり鼻から検査をしたりするので、ツバや鼻水が飛んでくるのを防ぎようがありません。

    実は、私たちはそうやって毎日患者さんからあらゆるウイルスをちょっとずつ分けてもらって、免疫を獲得しているのです。世の中は抗菌グッズや除菌グッズで溢れていますが、実際にはその反対でウイルスに少しずつ曝露されることが免疫を強くします。とはいえ、受験生などは真似しないでください。間もなく本番でしょうから、今は風邪の人に近寄らないこと。人混みは避けること。ついでに言えば、ビタミンCを大量に取ることが大切です。

    クラウンハイブリッドと思われる黒塗りの車にダイハツのエンブレム!びっくりしました。こんな車種があるんですね。桜十字病院の駐車場で激写!青いバックはトヨタも同じハイブリッドの意味。カッコいい!

  • 運動不足解消法

    また朝からうっすらと雪が積もっていました。こう寒いと、運動不足になります。私は、雨が降らない日は原則自転車通勤なのですが、さすがにさむくて心折れます。そこで、このところ気分を変えて歩いて通勤しています。ダウンジャケットを着てマフラーと手袋をしてリュックを担いで歩きます。片道約30分です。寒くないといえば嘘になりますが、自転車より全然楽です。寒いと思っても歩いているうちに温まってきます。車で行っても職場につくまで暖房は効きませんから、歩いていくのは結構いいとわかりました。運動不足の解消にもなります。ただ、通勤に30分かかるので、毎朝6時半には家を出ます。朝から結構慌ただしくなります。

    今朝ぐらい雪が積もっていると道も滑って危ないのではないかと思いましたが、案外大丈夫でした。歩行では、かなり積もっても大丈夫と思います。一方、自動車ですが、熊本市内では皆さんスタッドレスなどわざわざ履き替えないでしょうから、注意が必要です。急ハンドル、急停車などはスリップのもとです。慎重に運転しましょう。

    来院される皆さん、寒いと血圧が上がったりしています。この時期、朝早くに血圧が上がるのは仕方ないと思うかもしれませんが、それが危険です。仕方ないと思っている冬の高血圧で心筋梗塞や脳卒中を起こします。今の季節だからこそ、朝からも血圧が上がらないようきちんと管理が必要です。朝寒くても上がらないように、しかも昼は下がりすぎないようにするのが難しいところです。どのようにしてコントロールするかは専門医におまかせください。まずは寒さのせいだからと勝手に納得せずにご相談いただけたらと思います。

  • 雪とインフルエンザと

    日本全国的に寒波が襲っていますが、熊本市内でもまた雪がつもりましたね。前回よりは少なかったですが、クリニック前も1センチ位は積もりました。車でクリニックへ入ってくるには歩道の雪が滑って危ないかなと思い、朝からほうきでクリニック前の雪払いをしました。昼前にはほとんど溶けて、日差しは温かいのですが、一日ずっと寒かったですね。相変わらずインフルエンザの患者さんが多いですが、今はやっているインフルエンザB型は熱があまり上がらず、症状も軽く、念のため調べたらインフルエンザだったという場合が結構あります。胃腸炎症状(嘔吐や下痢)だけでもインフルエンザの可能性があります。こういう状況ですから、風邪引いたと思ったら、まずはインフルエンザだと思って行動した方がいいと思います。なまじ検査を受けて陰性だったから自分は大丈夫というのが一番いけません。翌日検査すれば陽性になることはしばしば見受けます。

    今はインフルエンザの治療薬があるので、殆どの場合それを処方します。しかし、この薬は発症してから48時間以内に開始しないと効かないということがわかっていますので、タイミングが大切です。ただ、個人的意見を言わせていただくなら、インフルエンザと確定しても、症状が軽い場合は抗インフルエンザ薬は必要ありません。薬を使う場合と使わない場合の解熱するまでの期間の差はたった1日です。つまり、1日早く治るかどうかの差しかありません。体力のある子どもや大人は本当は家で寝ていればいいのです。

    昔の人はそうやって治してきたので、免疫がついていますが、今の人達は何度インフルエンザにかかっても抗ウイルス薬であっという間に治療するため体の免疫力が鍛えられません。怠けて勝った戦には経験値が残りませんから、次のウイルスにまたすぐにかかってしまいます。そう考えると、体力のある若いうちはへたに薬を使わず自分の免疫を鍛えるつもりで家で我慢して寝ておくというのが一番ではないかと思うのです。

  • 寒さに負けるな

    立春です。豆まきしましたか?昼の日差しは明るく、春の訪れを感じます。しかし、一旦日が暮れると寒いです。熊本は来週にかけて最高気温が2-3度くらいまでしか上がらないそうです。本当に寒いですね。世の中はまさに受験シーズンです。中高生のみなさん、がんばってください。寒さにまけるな。

    先日、当クリニックに受験生が来院しました。試験を前にして緊張して体調を崩したとのこと。試験本番までわずか4-5日しかなかったので、安定剤を使うのも調整が難しい。眠くなるほど効かせてしまっては本番でうまくいかないし、ゆっくりしか効かない薬を使っては本番に間に合わない。どういう薬で本番までのわすか数日で気分を安定させるか、結構考えました。そして、これで行こう!と処方を決めてお渡ししました。その結果、漢方薬と安定剤で本番はうまく行って、見事合格されました。おめでとう!

    こういうとき、漢方は案外即効性があります。しかも、あまり眠くならないので使いやすいです。子供さんの場合、漢方薬(粉薬)が飲めないと言われてしまうと治療の選択肢が限られてしまうので、治るものも治りません。昔から良薬口に苦しといいます。飲めないと言うのはただの甘えです。本当は、無理してでも飲ませるのは親の責任です。とはいえ、飲めないという子供さんには無理に漢方は処方しません。なんとか別の方法を考えますのでご安心ください。