むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 抑肝散の季節

    今年は桜が綺麗に咲きませんね。いつまでたっても満開にならず、おちおちしていると葉っぱが芽吹いてきて葉桜になったところもあちこちで見受けられます。温暖化が進むと九州南部では桜は咲かなくなると言われていますから、そういう現象がすでに始まってきているのではないでしょうか。健軍自衛隊前には桜通りがあり、車道と歩道が桜並木で区切られています。先日歩いてみたら、なんと、その中間付近は桜が伐採されて、味気ないコンクリートの歩道とかバス停とかになっていて驚きました。なんてことするんだという感じです。今までのままでよかったのに、単に工事したくてしたのではないかと勘ぐってしまいます。

    春は肝の気が高ぶり、イライラしやすい季節です。こういうときは抑肝散という漢方が役に立ちます。抑肝散は高齢者のいらいらや認知症、怒りっぽくなった、などによく使われる漢方ですが、高齢者用と限った薬ではありません。江戸時代頃は子供の夜泣きの薬でした。生理前にイライラしたりする場合にもとても良く効きます。夜に気が高ぶって眠れないときにはそれを静めてくれるので睡眠が改善します。

    もう一つ抑肝散をよく使うのはストレス障害です。職場などでストレスを受けたときに、ワーと言い返す人とじっとがまんしてこらえる人がいますが、抑肝散が効くのは我慢してしまう人です。もちろん、我慢も限界を超えると動悸がしたり吐き気がしたり鬱のようになったりします。抑肝散はこのような場合とても役に立つ漢方です。

  • 謎の病気は栄養失調かも

    やっと熊本地方の桜の開花が宣言されたようです。今年は標準木が変わったらしいのですが、あたりはとっくに咲いているのに開花宣言が遅れたのは標準木変更のせいでしょうか。小中学校は春休みに入り、クリニックの前にある公園では親子連れの花見客が絶えません。楽しそうな声がひびいいてきます。

    この時期は昼暖かくても朝晩はかなり冷え込みます。風邪や胃腸炎の患者さんが結構多い印象です。体調管理には気をつけましょう。転勤や引っ越し、進学などで気が張っている人はあまり風引かないと思いますが、一段落した頃にどっと疲れが出ます。そうならないようにするには、日頃からビタミンCを十分とっておくのが良いと思います。

    最近、とても難しい患者さんが大勢来院されます。日赤などすでに何ケ所もの病院で精密検査を受けたけど異常なしだったと言うものです。データに異常なくても、微熱や倦怠感などいろんな症状で困っておられる方ばかりです。最近私のやっているオーソモレキュラー療法によるデータ深読みをすれば、他院で正常と言われた検査データからもいろんな病態が読み取れます。なかでも多いのがビタミンと蛋白不足です。胃腸が悪くて食が細い人もいれば、忙しくてきちんと食べていない人もいますが、栄養不足から多くの体調不良が説明できます。そういう患者さんには「バランス良く」とか「塩分控えめ」などという通り一辺倒の栄養指導ではなく、事細かにお話しています。

  • マグネシウムオイル

    足がつったらどうしますか?誰でも経験あると思いますが、痛いですよね。私は、今日久しぶりに足がつりました。病院に行くと、芍薬甘草湯という漢方を処方されることが多いと思います。非常によく効くので、お守りのように持っている方も多いかと思います。しかし、この漢方は毎日飲むと血圧が上がってしまう副作用があります。また、血液中のカリウムが低下してしまうことがあります。私の外来では、芍薬甘草湯がほしいと言ってこられても、めったに処方しません。出しても3日分程度です。

    代わりになるのが十全大補湯や疎経活血湯です。芍薬甘草湯に負けず劣らずよく効きます。これらの処方は血圧が上がったり、カリウムが下がったりする副作用がほとんどありません。こういった漢方以外に、マグネシウムオイルというものがあります。他にもマグネシウムローションとか、マグネシウムスプレーとかいろんな商品があります。マグネシウムは体内でカルシウムと反対の働きをします。カルシウムは筋肉の収縮、マグネシウムは弛緩(リラックス)に働きます。

    カルシウム+マグネシウムのサプリがあり、内服で同時に摂取できるものですが、実はマグネシウムは飲んでも吸収がよくありません。酸化マグネシウムや硫化マグネシウムは下剤に使われているように、飲んでもほとんど吸収されません。そこで内服でなく、ローションの出番です。マグネシウムオイル(ローション)をふくらはぎに塗ってマッサージすると、皮膚からマグネシウムが吸収されます。今日は足がつって痛かったのですが、すぐにマグネシウムオイルを塗ってマッサージしたら、10分ほどで普通に歩けるようになりました。

  • 4367(イチローの安打数)

    暖かくなりました。桜はもうすぐ咲きそうです。一年でも最もウキウキ心躍る季節です。家に引きこもり気味の人も、桜の花見に出ようかという気分になることと思います。おおいに外に出てください。運動しましょう。歩くだけでも体は活性化します。歩くときには足を高く上げることを意識しましょう。すり足はいけません。そのためにも、スリッパではなく運動靴がお勧めです。私はランニングしていたのでシューズにはこだわりがあります。最も信頼できるのはアシックスです。またミズノも良いシューズです。

    ところで昨日おとといと断食の話を書きました。断食中には水だけで過ごすことを勧められていますが、水でも一度沸騰させた白湯(さゆ)がおすすめです。白湯がなぜ体にいいのかはわかりませんが、インドでは、白湯は水の精と温めたときの火の精と沸騰して気化したときの気の精を合わせ持つから素晴らしい飲み物と考えられているようです。実践してみると、白湯の効果はあきらかです。驚きました

    昨日は、イチローが引退を表明しました。彼がすごいのはストイックに練習を積んだ結果のヒーローであるということです。天性の才能もあるかもしれませんが、かなり努力しないと今の姿はないと思います。そういう意味でも努力すると報われるという良いお手本だったと思います。プロ野球選手は億の年俸をもらうとつい努力を忘れてしまいます。イチローみたいに素晴らしい成績を残しながら、長年プロとして活躍できるには並々ならぬ努力があったと思います。

     

  • 春の兆しは体内のビタミンD増加で感知する

    春分の日でした。ずいぶん暖かくなり、昼はYシャツ一枚で外を歩ける程でした。これから夏至にかけてどんどん日は長くなり明るい時間が増えてきます。できるだけ外に出て日に当たりましょう。体は日差しを感知して冬が終わったことに気づきます。冬は体を動かさないで、無駄なエネルギーを使わないようにしようとします。また、寒さで体温を奪われないように脂肪が蓄積して太る傾向にあります。それが、日差しが強くなったのをきっかけに体にスイッチが入り、貯めていた脂肪は燃焼し、体重は減ります。だんだん活発になり、気分も高揚してきます。

    この、春の日差しが強くなってきたのを体内で全身の臓器に知らせるのがビタミンDです。ビタミンDは皮膚に紫外線が当たると合成されます。そこで、春になったら体内のビタミンDが増えてくることが大切なのです。もし、日焼け対策で長袖長ズボン、日焼け止めバッチリ、さらに室内はカーテンをしめていつも暗くしているとか、日中は寝て過ごし、日が暮れてから行動を開始する夜型の人などは春の日差しを感知できず、体は冬眠状態のままとなってしまいます。

    そういう場合、ビタミンDのサプリを飲むことで日にあたったのと同じ効果が得られます。サプリで強制的に春が来た状態にすることが出来ます。元気が出て体調は良くなります。花粉症にも劇的な効果を発揮します。ただ、骨を丈夫にするために処方されている程度のビタミンDでは十分ではありません。体にシグナルを与えて刺激するには十分量が必要となります。