むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 豪雨対策にはライフジャケットが必要

    日曜にこの一週間のニュースを見ると、千葉の大雨の被害があまりに悲惨で言葉がありません。台風の2週間後にまた大雨の被害とは、熊本で震度7の地震が2度来たのと似ています。同情します。千葉の地形はよく知りませんが、広い大地で雨がたくさん降ると水はけが悪く窪地に貯まるのではないかと思います。今回浸水した地域は、今後も似たような大雨が降ることは考えられるので、住むのを避けたほうがいいのではないかと思います。

    私が小学校だった頃、社会の授業で「私たちの住むまち」という教材がありました。今でも覚えていますが、江津湖周辺に住む人達の家の軒先には避難用のボートがつり下げてあると書いてありました。教科書に写真がついていたのを覚えています。私は当時田迎に住んでいましたから、田迎と江津は隣町で、あちらは大変だなと思っていました。その当時いつも浸かっていた地域は今ではほとんど埋め立てられて用水路はポンプで強制的に排水されています。めったに浸からなくなりましたが、そういう歴史があったことを忘れてはいけません。

    ところで、高知に移住した吉冨先生と話していたら、高知は南海トラフ地震の津波対策を本気でしているそうです。どの家庭も家や車の中にはライフジャケットを人数分買ってあるそうです。また、コンビニの駐車場にはノアの箱舟みたいに地域の住民が避難できるボートが置いてあるそうです。千葉の水害のあったところもライフジャケットを買っておいたら良かったのではと思いました。おそらく今後は日本中どこでもそういう対策が必要になってくると思います。

    すすきの向こうにアスペクタの野外ステージ

  • 水害は怖い

    水害のニュースを見ると、本当に悲惨ですね。地震も大変でしたが、水害はもっと手に負えない気がします。家中水浸しで泥だらけです。地震のあとはあそこまでぐちゃぐちゃではなかったです。また、いまだにマンホールから下水が逆流して道路に噴出しているところがあります。衛生的にも大問題です。はやく復旧されることを祈ります。天皇陛下が即位のパレードを延期されましたが、本当にそういう雰囲気なんだろうと思います。ネットを見ていたら、つい最近まで開発されずに残っていた土地やキラキラネーム的な新しい地名は要注意だそうです。むかしから危ないところには家を立てませんから、今頃になって開発されて家が建ち始めたところは昔は湿地帯だったり、土砂災害の危険地帯だったりします。また、そういう土地にはみなが忌み嫌うような地名がついていることが多く、そのあたりにはすまないようにという祖先のメッセージだったのにも関わらず、今になって地名を変更し明るくきれいなイメージの地名がついたところは土地も安いのでどんどん家が建っているそうです。古くからその地について詳しい人の話を聞いたり、古地図でどんな地形だったかを知ることはとても大切なことです。

    昨日のブログで、阿蘇の火山灰は私の小学生の頃以来のひどさと書きました。正確には阿蘇の活動がどうだったのかを調べたら、気象庁がまとめたサイトを見つけました。https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/fukuoka/503_Asosan/503_history.html

    これによると、1970年代に数年に渡って活発に噴火しており、たしかに私の記憶通りでした。それにしても、奈良時代くらいから現代までの阿蘇の噴火の記録が残っているとは驚きです。

    最近、ほうれん草をたべてもアクが全然なくて茹でずにそのまま食べられるようなものもあります。土が痩せてしまって今のほうれん草には栄養はありません。鉄が多いと言われていたのも今は昔です。ほうれん草では貧血治療はできません。これは、川が氾濫しなくなった影響でもあります。昔は毎年水害がありました。その際、山から肥沃な栄養ある土が田畑に供給されていたのですが、今はめったに氾濫しないため、土地が痩せるのです。今回、大洪水で関東東北など大変ですが、田畑は栄養たっぷりになり、数年後には美味しい野菜が取れることと思います。

     

  • 温泉で体温を上げるのは健康の秘訣

    連休で用事もなかったので、珍しくワイドショーなどみていたら、千葉の台風の被害は本当に大変ですね。熊本地震を思い出します。台風なので、電柱が倒れて停電しているのは個人的には対策のとりようがありません。電力会社には電柱をやめて電線を地中に埋めるようにしてもらいたいものです。太陽光パネルがある家は停電しても冷蔵庫が日中は動いたということで、これからは災害対策にも設置しておいたほうがいいように思いました。一方、個人で対策できるのは屋根です。地震の際も多くの家がダメージを受けてブルーシートだらけになりましたが、今度の千葉の台風被害もブルーシートだらけです。瓦の修理は1年待ちだといっていました。

    家は地方地方でもっともその気候風土に適したものであると言われています。日本独特の屋根瓦も昔は日本の風土にあっていたのかもしれません。しかし、今のように地震や台風がひどくなってきては、昔ながらの屋根瓦では全然だめだと思われます。熊本地震でうちの近所で通りの端から端まで1軒残して全部壊れたところがあります。壊れなかった1軒は積水ハウスでした。その後、壊れた家は新しく建て替えられました。みてみると、どこも平屋で屋根は瓦ではありません。新建材と思いますが、ガルバニウム鋼かもしれません。いずれにせよ、瓦はやめましょうということでみんなが納得したと思います。家の建てかたに個人も建設業界も進歩したと思われます。

    月曜は連休最後で台風一過となり天気も回復しました。私はいつものように南阿蘇グリンピアの温泉にいきました。煙を上げる阿蘇山を眺めながら露天風呂です。熊本市内から初めてきたというお客さんと長話になり、すっかりのぼせてしまいました。体が芯から温まると、見えない小さながん細胞は死滅します。昔、温泉旅館で療養することを湯治といっていました。温泉療法です。現在は温熱療法といって、ピンポイントに狙った臓器の体温を上げてがん治療をする方法があります。温泉での長風呂はそれと同じ効果がありますから、健康長寿の秘訣です。

    高森 らくだ山

  • PTSDに神田橋処方

    この週末、震災後の復興を記念すべきものが2つ。一つ目はご存知交通センターが新しく桜町熊本(ローマ字表記が正しいらしい)のオープンです。もう一つが俵山の大切畑ダムをう回していたところが復旧して全面開通するそうです。久木野方面はかなり楽になります。ちょうど連休なので行ってみたいと思います。

    このように、熊本地震から3年半たとうとしていますから道路や建物は次々と復興しています。しかし、当院に来る患者さんで、震災をきっかけに体調を崩したという人がいまだにあとをたちません。ふとした拍子に怖かった思い出が蘇ってくるというのはPTSDといいます。震災などの大きなショックを受けたときの心のダメージが後々まで尾を引くものです。それ以外にも、幼少期にとてもつらい思いをしたとか、上司からこっぴどく叱られたとか、旦那から暴力を受けたとか、子供が大病をしたとか、いろんなレベルの恐怖体験があります。そういった恐怖体験があとになって不安などを引き起こして体調不良の原因となるのは珍しくありません。

    私はカウンセラーではないので、幼少期にさかのぼった恐怖体験を根掘り葉掘り聞き出すことはしません。しかし、今の体調不良に関連するきっかけみたいなことで思い当たることがあれば教えてくださいとは尋ねます。そこでもし多少でも過去のトラウマが影響していると思ったら神田橋処方という漢方の出番です。四物湯と桂枝加芍薬湯を併用するのですが、驚くべき効果を発揮します。なぜこの処方が著効するのかは漢方を専門としている私にもわかりませんが、患者さんが元気になってくれれば、理屈は後回しでも構わないと思っています。

     

     

  • 担当者会議を行いました

    当院では、訪問診療にも力を入れています。現在60数名を定期的にみています。老人ホームなどの施設入居者が多いですが、個人宅にも伺っています。そんな中、一人の患者さんがガン末期状態となり、今後、入居している施設での看取りを行うにあたり、急変したらどう対応してほしいかという話し合いを行いました。当院の昼休みに、施設の担当者、ケアマネージャーさん、訪問看護師さんなど10名以上が集まりました。患者さんのご家族を交えて、最期はどうしたいかの希望の確認と各担当者どうしの意志の疎通を行う会議です。みな、患者さんのためにいろんな意見を出し合ってくれました。当院での訪問患者さんで看取りまで行った例は過去に何例もありますが、今回はこのように集まって話し合いを持つことができてよかったと思います。

    今日は東京近郊で電車とトラックの事故がありました。痛ましい事故です。トラックがおそらく間違って細い道に入ってしまい、左折したかったのに細すぎて曲がれなかったために右(踏切)に入ったところ、遮断器が降りてきてパニクったみたいです。万一踏切内で遮断器が降りてしまった場合、あの物干し竿みたいな棒は車で押して通ればいいようにできています。車で押しても通れないような頑丈な構造にはしてありません。このことは覚えておいて損はないと思います。

    それにしても、日本中細い道が多すぎです。うちからクリニックまでの道でも、一台右折車があると、信号が変わるまで全く車が動かなくなるポイントが2箇所あります。道の構造が問題です。往診でも、クリニック近くの民家に行く場合は軽自動車でやっと行けるような細い迷路のような道ばかりです。地震の後復興する際に道幅を広げてほしかったのですが、殆どは元通りの狭い道のまま復旧されています。みていて残念でなりません。