むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 理想のスピーカー

    テレビなどの音声は部屋中に響きます。高齢者施設に訪問診療に行くと、それぞれの部屋からテレビの音声が廊下まで鳴り響いています。もちろん、歳をとると耳が遠くなりますから、テレビの音声は大きくなります。しかし、この音漏れはなんとかならないかなと思います。これだけ家電の性能が上がっているのですから、スピーカーも特殊な性能をもたせて欲しいと思います。

    それは、もちろん高齢者向けの音声システムです。大抵お年寄りはベッドサイドにテレビを置いていますから、音の届く範囲は2メートルくらいでいいと思われます。しかも部屋の隅々まで届かなくても、テレビの正面だけに音が広がるような指向性をもたせて欲しいと思います。さらに音質に関しては、難聴の人が聞き取りやすい周波数特性がありますから、若い人の好きな重低音のひびく臨場感あふれる音声ではなく、とにかく聞き取りやすさを優先した音作りをして欲しいです。

    以前、私の前の職場にサンプルのスピーカーが届きました。診察中に専用マイクで患者さんに話しかけると、聞き取りやすい音声になって患者さんの方へ音が届くシステムです。

    http://healthcare.itmedia.co.jp/hc/articles/1603/03/news140.html

    これからのテレビやラジオは、こういった高齢者に向けたスピーカーをオプションでもいいので搭載して欲しいと思います。

  • 血圧が上がったら

    秋になり、血圧が上がってきた患者さんが結構おられます。夏の間は脱水傾向もあり、さらには血管が拡張し血管抵抗が下がるため血圧は低めとなります。しかし、涼しくなってくると血管は引き締まってくるし、塩味の効いた食事が美味しい季節でもあり、血圧が上がってきます。もう一つは、4月から9月までの上半期決算で絞られてストレスで血圧が上がった、という場合もあります。

    ストレスなどで一時的に上がった血圧は、しばらく様子を見て下がってくるのを待ってもいいのですが、通常は秋に上がった血圧は来年の春まで下がりにくいと思われます。私の場合、患者さんに1−2週間家庭血圧を測ってもらって自宅で安静にしている時の血圧も高いようなら治療を開始します。薬を始めたらずっと飲まないといけないでしょう、と言って嫌がる患者さんが多いですが、血圧の薬を飲むことによるデメリットと、きちんと血圧管理をした際のメリットを考えると、当然血圧は管理したほうがいいと思います。

    ただ、漫然と薬を飲むのではなく、塩分制限、運動など日常生活の見直しもしながら、薬をやめることができないかはチャレンジすべきだと思います。運動をすると血圧が下がりますが、高いまま運動をすると危険を伴いますから、まずはちゃんと治療を開始してから運動に取り組んだほうがいいのではないかと思います。

  • ダイエット法を考えた

    新しいダイエット法を考えました。秋冬用です。基本は炭水化物の制限ですが、それ以上に簡単でお腹いっぱい食べる方法です。まだ昨日から始めたばかりなのでうまくいくかわかりませんが、まずは自分でやってみたいと思います。

    その方法は・・・「豚汁ダイエット!」

    毎日夕食は豚汁をメインに食べるというものです。具にはしいたけ、えのき、しめじなどのキノコを必ず入れる。そして、ごぼう、人参、大根など根菜を最低一つ入れる。そして、ねぎ、玉ねぎ、ニラなどの中から一つは入れる。最後にキモとなるのが、白菜をどっさり入れること。豚肉は適当に放り込みます。豚肉はイノシン酸、白菜はグルタミン酸、しいたけはグアニル酸と上記の材料から旨味の3大成分が全て入りますから、味付けは味噌だけで結構です。白菜はこの時期安いし、球が大きいと食べきれないのですが、毎日こうやって食べるならおなかいっぱい食べていいと思います。あとはししゃもとか、アジなどをちょっと炙って添えれば、炭水化物抜きで毎日満足の夕食となります。夕食が10分でできますよ。

  • 超音波は便利

    クリニックをしていると、大病院のようにCTやMRIがないので、画像診断はもっぱら超音波です。昔は聴診器、今は超音波です。聴診器も私たち循環器の専門家はとても頼りにしています。心雑音、不整脈、呼吸音などからいろんな情報を得られます。一方、超音波(エコー)ではその何百倍もの情報が得られます。画像ですから、超音波で見える臓器は色々診断可能です。心臓を見ると、心臓の動き、血液の流れ、逆流の様子、心臓内の圧力や心筋のしなやかさまで計算できます。

    また、頚部エコーでは甲状腺、頚動脈の動脈硬化の様子などがわかります。腹部では、肝臓、腎臓、膵臓、胆のう、脾臓、膀胱、前立腺、腹部大動脈などが観測できます。例えば、のどに腫れたような違和感があるといえば甲状腺のエコーをするし、おしっこの出が悪いといえば前立腺のエコーをします。足がむくむ時は心エコーで心不全のチェックをしたり、下肢静脈エコーで静脈血栓ができていないかを調べたりします。

    当院では私(院長)がエコー検査をしていますので、外来が混んでいるとすぐには対応できないこともありますが、診断から治療方針にどうしても必要な時には忙しくてもきちんと検査しています。CTやレントゲンと違って被爆の心配がありませんので、超音波(エコー)検査はいい検査だと思います。

  • 長く効く薬

    最近の薬は効き目の長い薬が色々あり、例えば血圧のアムロジピンという薬は1日半は効きます。1回飲み損なっても変動は最小限で済みます。また、新しい糖尿病治療薬には、週1回でいいものがあります。かなり便利です。骨粗しょう症の治療薬には以前から週1回製剤がありましたが、最近はそれが月1回製剤に進化しています。このように一度で長く効く薬というのはこれからの主流になると思います。

    インスリン注射も以前は短時間しか効かなかったため一日3回、4回と打つ必要がありました。ところが、最近主流なのは1回注射すると24時間以上効果を維持し基礎インスリンとしての役割を果たしてくれるものがあります。私も、ほとんどこの1回打ちを処方して、足りない部分は少量の内服薬と組み合わせています。

    漢方薬は1日3回のものが多いのですが、私の処方はできるだけ2回になるようにしています。昼は職場や学校で飲みにくいことが多いからです。漢方を3回でなく2回にしても効くようにするにはちょっとした工夫があります。その答えはクラシエという漢方メーカーの発想にあります。1回あたりの飲む量を増やして3回分を2回に分けて飲むというそれだけのことです。私の漢方処方の多くは2剤を併用していますので、1回あたりの生薬量は多くなり、3回飲まなくても2回で十分になる計算です。