テレビなどの音声は部屋中に響きます。高齢者施設に訪問診療に行くと、それぞれの部屋からテレビの音声が廊下まで鳴り響いています。もちろん、歳をとると耳が遠くなりますから、テレビの音声は大きくなります。しかし、この音漏れはなんとかならないかなと思います。これだけ家電の性能が上がっているのですから、スピーカーも特殊な性能をもたせて欲しいと思います。
それは、もちろん高齢者向けの音声システムです。大抵お年寄りはベッドサイドにテレビを置いていますから、音の届く範囲は2メートルくらいでいいと思われます。しかも部屋の隅々まで届かなくても、テレビの正面だけに音が広がるような指向性をもたせて欲しいと思います。さらに音質に関しては、難聴の人が聞き取りやすい周波数特性がありますから、若い人の好きな重低音のひびく臨場感あふれる音声ではなく、とにかく聞き取りやすさを優先した音作りをして欲しいです。
以前、私の前の職場にサンプルのスピーカーが届きました。診察中に専用マイクで患者さんに話しかけると、聞き取りやすい音声になって患者さんの方へ音が届くシステムです。
http://healthcare.itmedia.co.jp/hc/articles/1603/03/news140.html
これからのテレビやラジオは、こういった高齢者に向けたスピーカーをオプションでもいいので搭載して欲しいと思います。