むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 走ったあとの体のケア

    熊本城マラソン、出場された方はお疲れ様でした。天気にも恵まれ、最高の1日だったと思います。私は開会式を見に通町までいきました。石川さゆりさんなども応援に来られていて、見に行ったかいがありました。走ったあとは筋肉痛やお腹がおかしくなったりしていろいろと大変ではないかと思います。今日は、自分でできるケアを少しだけ伝授いたします。

    筋肉痛は走ったときに筋肉内にたまる乳酸が痛み(コリ)の原因になります。乳酸は解糖系が働いた結果できるのですが、解糖系に引き続いてクエン酸サイクルが回れば乳酸になりません。そこで、クエン酸サイクルを回すためにクエン酸のサプリを取るという方法があります。クエン酸というのはレモンの酸っぱいあの味です。しかしそれだけでは足りません。解糖系からクエン酸サイクルに入る段階でビタミンB1を必要とします。また、クエン酸サイクルが回るためには様々なビタミンB群を必要とするので、マルチビタミン(Bミックス)がお勧めです。走ったあとは、通常の状態ではないので、推奨量の3倍位は必要と思います。また、筋肉にたまった乳酸はマッサージで流してしまいましょう。じっくりゆっくり筋肉をほぐしてください。

    次に活性酸素対策です。走ると体にたくさんの酸素を取り込みます。その結果、活性酸素が形成されます。活性酸素は体を酸化します。ビタミンCとEで活性酸素対策ができますので、しっかりとっておきたいものです。最後に胃腸の問題です。走った後は脱水と水分補給過剰の両方でお腹がおかしくなります。そういうときは五苓散が効きます。体の水分バランスを整えてくれます。是非お試し下さい。

    鶴屋前で、熊本城マラソン開会式。くまモンもいます。

  • 足のつりには芍薬甘草湯と言いますが

    いよいよ熊本城マラソンです。今年は天気にもめぐまれ、最高のマラソン日和です。ランナーの皆さん、練習の成果を存分に発揮してください。走るときには足がつりやすいですが、ご存知のように芍薬甘草湯という漢方薬がとても良く効きます。走る前に飲んでおいて、もちろん走るときにもウエストポーチにいくつか持って走ります。給水所ではアミノ酸サプリ、糖分補給とともに芍薬甘草湯です。以前私が熊本城マラソンに出たときに、びっくりしたのはウエストポーチにおにぎりなどの弁当持参の人を目撃したことです。普通、沿道から供給される果物や飴玉などを食べながら走るのですが、弁当持参とは恐れ入りました。

    芍薬甘草湯はマラソンのような運動で足がつるときだけの処方ではありません。年をとると不思議なもので寝ていても足がつることがあります。その際には寝る前に芍薬甘草湯を飲んでおけばバッチリ予防できます。その他、胃腸炎でお腹がいたいときなどにもよく効きます。

    芍薬甘草湯は子供でものめる甘い漢方で、とても良く効くので重宝します。しかし、長期に飲むと血圧が上がったり足がむくんだりする副作用が知られています。そのような副作用を避けるために私は長期投与する患者さんの場合芍薬甘草湯は使いません。代わりに十全大補湯を使います。十全大補湯は足のつりだけを治すのではなく、足がつりやすい体質そのものをじっくり治してくれます。漢方では本治といって、根本治療を意味します。

  • インフルAにも注意

    当院ではインフルエンザの患者さんの9割はB型です。最近は風邪の患者さんも減ってきたなーと思っていました。ところが新聞によるとアメリカではA香港型が流行しているそうです。お隣韓国でもA型が流行しているようです。韓国といえば、オリンピックもあり、人の出入りが盛んになっていますので、世界中に広まる可能性があります。昨日、城南のM医院の院長先生と食事会をしたのですが、城南の方では3割はA型だとのことでした。そうすると、私達の住んでいる近所の人達はほとんどまだB型しかかかっていないので、A香港型には注意が必要です。これから入試の本番を迎えるところも多いと思います。家族みんなで用心しましょう。

    私は医学部の漢方サークルの世話人をしている関係で、先日卒業生たちの追い出しコンパに参加しました。「追いコン」とは懐かしい響きです。医学部の場合、卒業試験という厳しい試験があります。科目によってはかなり高度な問題もあり、勉強がたいへんです。しかし、それだけでなく、医師国家試験というのがあります。これに合格しないと医師免許がもらえませんから卒業できたとしても仕事にありつけません。なんとしても国家試験には合格しないといけません。つい先日、国家試験がありました。熊大は全国の国立大学の中でも国試の合格率が悪く、厳しい状況です。熊大の入試の偏差値はそこそこいいレベルなのに国試の合格率が悪いということは、大学の教育システムが悪いかみんなが怠けているのかのどちらかです。

    さらに、国試で合格したあかつきには、どこかの病院で仕事をするのですが、私たちの時代はみんな大学の医局に入局して研修しました。しかし今は、済生会や国立病院など独自の研修プログラムを持つところで研修するのがはやっています。しかも、マッチングと言って、大学の成績と応募状況などから研修先が決まるようなのでかならずしも志望した研修先で働けるとは限らないそうです。医学部の卒業にはこのように幾重にも重なるハードルが待ち構えているのです。

    ホスピタルメントにて。雛人形には武士顔と公家顔の2通りがあるそうです。

     

  • 漢方が飲めないときの工夫

    漢方エキス製剤(粉薬)はどうしても独特の味と香りがしますので、飲めないとい言う人がいらっしゃいます。また、小さなお子様に飲んでもらう場合もなかなか味が受け付けないで大変なことがあります。そのような場合、よく味をつけてもいいでしょうかという質問があります。

    答えは味付けOKです。では、どのような味付けが飲みやすいかをお教えします。大人の場合、単にオブラートに包んで飲んだりもできますが、味をつけるなら蜂蜜がいいかもしれません。牛乳やジュースは漢方の味と相性が悪く、とても変な味で飲みにくくなります。お子様におすすめは、ココアやミロです。これは、ほとんどの漢方処方と混ぜ合わせても変な感じにならずに飲みやすくなります。ぜひ困った際にはお試しください。

    それでも無理という場合、錠剤やカプセルもあります。ただし、こういう剤形は全ての処方に準備されているわけではありません。当院でも、できるだけ粉と錠、カプセルなど色々準備していますが、メーカーにないものは仕方有りません。ただ、お子さんなど、どうしても粉の漢方が難しい場合、ご相談いただくと、出来るだけあるもので工夫します。

  • 安全ブレーキの話2

    昨日続き、安全ブレーキの話です。各社こぞって安全ブレーキなど運転サポート関連の開発にしのぎを削っています。レーダーやカメラの性能はどんどんあがっていきます。一方、レーダーなどが察知した危険をどのように処理するかが問題です。あまりたいしたことない状況で自動ブレーキがかかっては困るし、肝心なときにはぶつからずに止まってほしい。そのアルゴリズムのプログラミングはとても難しいと思います。

    最近は、プログラミングを人工知能に任せる手法が進んでいると聞きました。センサーから入ってくる情報と、人(ベテラン運転手)がそれを察知してどのようにハンドルを切るのか、ブレーキを踏むのかと言う膨大なデータ(ビッグデータ)を蓄積して、最も人が取るであろう危険回避行動を人工知能に判断させるというもの。最近は、プログラミングもこのような人工知能によりずいぶん変わりました。

    しかし、自動ブレーキが作動したとして、きちんと止まるかどうかは車の性能にかかっています。どれだけ良いブレーキがついているか、いいタイヤをはいているかが大事です。そう考えると、病院や会社も同じです。危険を察知しても、回避行動が取れるかどうかは別の問題です。院内(社内)でのなんでも話し合える状況がないと、誰かが危険を察知しても放置されることになりかねません。

    数日前に似た写真をだしましたが、今日のはiphone8で撮影。仕上がりが全然違います。前に撮ったのはiPodでした。カメラ性能はiPhone5Sクラスです。進歩に驚きました。参考までにiPodでとった写真を再掲します。