むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 花見日和

    週末は絶好の花見日和でした。天気は快晴。暖かく、部屋にじっとしているのがもったいない一日でした。私は日頃仕事では診察室の椅子に一日中座っているので、運動不足を感じています。この土日はせっかく天気もいいので運動を心がけました。携帯の万歩計を見たら土日で4万4千歩歩きました。たまたま通りかかった水前寺公園は無料開放されており、花見をしている人がたくさんいました。私も、明るい時間と、夕暮れと、夜桜と3回見に行きました。無料なので何度も出たり入ったりしました。水前寺公園内の出水神社には先月子供の受験の願掛けに来たのですが、今回はお礼参りができました。

    花見を見ていて感じることは、日本は平和だということです。アメリカでもワシントンなど桜の名所がありますが、日本のような花見はありません。もちろん公園でピクニックのようにサンドイッチを食べたりはするでしょうが、日本人の花見のように桜の木の下で宴会はしません。なぜかというと、アメリカでは公衆の場での飲酒が禁じられているからです。公園やビーチのような場所でお酒を飲んだら逮捕されます。私がアメリカに留学したとき、気をつけるようにとまず最初に日本人の先生から申し送りを受けました。

    そういうことで、日本の花見はお酒を飲みながらワイワイできるので平和だと思うのです。一方、昔は公園でバーベキューができたところも多かったですが、最近は公園の管理上の問題か、バーベキューを禁止されているところが多いです。騒ぎすぎるからか後片付けが悪いからか、火の用心からか、禁止された理由は色々あるでしょうが、ちょっと残念ですね。

    水前寺公園 ライトアップされた夕暮れ

  • 痛みには操体法

    操体法という治療法があります。体操の反対で操体です。整体のようなものですが、体の歪みを治すのに、ちょっとした独特の理論を使います。通常リハビリに通うと、痛い関節を痛い方にグイグイ回して痛みを我慢しながらリハビリを”頑張る”のが普通です。そうすると、リハビリは辛いものだとみんなが考えます。一方、操体法では、痛みのある関節を痛くない方向にだけ力を加えたあと、瞬間脱力します。ただそれだけです。あまりに簡単ですから、あっけにとられますが、本当に痛くなくて効果的なのです。

    先日当院を訪れた患者さんが、半年以上前から肩がいたいと言われていました。整形外科で検査したところ、腱や関節に異常はないのでリハビリしましょうと言われたそうです。結局数回通って治らなかったので、リハをやめてしまったとのことです。そこで、まず肩の動かしていたい方向を確かめ、その反対方向に動かしてもいたくないことを確認しました。あとは、10秒位その痛くない方向に力を加えてもらい、イチニノサンで脱力してもらいました。2回繰り返してわずか1分程度ですが、さっき痛かった方向へ肩を回してもらったところ、痛みは全くなくなりました。とてもびっくりされました。

    あとは、同じ運動を家庭でもやってもらうだけです。セルフ操体です。痛くない方向に動かすのでストレスはありません。肩だけでなく、腰、膝、くびなどあらゆる痛みに対応できます。

    水前寺公園の夜桜と赤富士。今週末無料解放中です。

  • 診療報酬は公定価格

    株価大暴落です。私は株を持っていないので、無傷でしたが、今日の下げは大きく、痛かった人も多いのではないかと思います。トランプ大統領が鉄鋼の輸入に高額の関税をかける決断をしたのが理由ですが、関税をかける相手国がナンバーワンの中国は想定内ですが、友好国の日本まで名指しされたものですから、日経もすごい下げとなりました。きっと、アメリカ抜きでTPPを推し進めた日本へのペナルティー的な決断でしょう。国会は森友問題ばかりで空転しているうちに世界はどんどん進んでいます。国会議員ははずかしい勢力争いはやめてきちんと仕事をしてほしいものです。

    ところで金曜の夜には4月からの診療報酬の改定に関する説明会があり、参加してきました。県立劇場のコンサートホールが超満員で立ち見状態でした。わたしたち医療関係及び製薬関係は自分たちの仕事に対する対価(価格)を自分で決めることができません。国が公定価格を決めるのです。価格を決めるだけでなく、その請求に関するルールも改定のたびに電話帳のような本になるので、読み込んで理解するのが大変です。例えて言うならたこ焼き屋さんでたこ焼き1個あたりいくらで10個以上なら1つあたりをいくらに値下げするとか、鰹節をトッピングすればいくら加算するとか、全部国が決めているようなものです。ちゃんと理解しないと値段がつきません。うっかりすると、上に載せた鰹節の値段を知らずに取り損なって損することもありえます。

    このように自由経済に反して国が政策的に価格を決めて誘導するのを計画経済といいます。計画経済は社会主義で、ソ連も中国も失敗しました。経済の有るべき姿は自由競争です。計画経済の寿命は70年程度と言われています(中国もソ連もそのくらいで社会主義が崩壊した)ので、日本の医療保健制度ももうしばらくで崩壊すると予想されています。我々クリニック経営者としてはそんな大混乱は望んでいませんが、世の社会原理がそうなので、今のうちから対策を考えるしか有りません。おそらく日本経済がデフォルトをおこすより先に医療経済に破綻が起こるのではないかと危惧しています。

  • 春の自律神経

    桜が咲いたと思ったら、寒くなりました。例年花見の時期は寒くて外で夜桜見物なんてできないものです。しかし、関東の大雪のニュースはすごいですね。地球は温暖化しているのか寒冷化しているのかわかりません。気温の差が激しいので、体調を壊さないように気をつけましょう。

    一日には昼と夜があり、一年には夏と冬があります。このリズムに応じた形で交感神経と副交感神経という自律神経が変化します。春は、副交感神経優位から次第に活動性のある交感神経の方が優勢になり体が覚醒する時期です。そのため、ときには活発になりすぎることもあります。認知症のお年寄りなどは活発になりすぎて一日中歌を歌ったり、妄想で周りの人に迷惑をかけたりします。しかし,これも季節ものですから、しばらくすると落ち着きます。あまりに困ったような場合、鎮静剤を少し使うことで穏やかに過ごせます。

    めまいや不眠なども多い季節です。気温だけでなく、天気も日によって著しく変化するため、偏頭痛も起こりやすい季節です。もちろん花粉症や喘息もあります。春はいい季節なのですが、このようにとても不安定になりやすい時期でもあります。折しも卒業、入学、転勤、引っ越しなど慌ただしいことと思います。体調管理にはくれぐれも気をつけましょう。

  • 不休の診療体制とは

    訪問診療に休日はありません。春分の日も予定通り訪問診療に出掛けました。当然ですが、介護施設も休みなんて関係ありませんから、通常通りのみんなが出勤しています。ご苦労さまです。最近は「働き方改革」とか、「過重労働」などが話題ですが、医療介護系はまさに24時間労働を強いられる大変な職場です。厚労省は患者さんの生活の場を病院から家庭へ移そうと必死です。病院の長期滞在が病院の収益を圧迫する仕組みを作り、一日も早く退院させようとします。最近の救急病院では、入院の日に退院の日程を決めたり、退院できない場合は受け入れてくれる転院先を探します。”初日”からそんな具合ですから驚かされます。

    そして、病状が安定していないのに退院させられた結果、患者さんの家族は大変です。慣れない看病で体を壊したり仕事を休まざるをえない状況になります。自分の親でなく、義理の親の看病の場合、言いたいことも言えずにストレスが溜まって体調が悪くなる人もたくさんおられます。また、我々開業医には、そういった家庭にいて通院困難な患者さんを受け入れ、訪問診療などで支えるよう誘導されています。訪問診療、かかりつけ医と言った仕組みに参入すると、24時間、365日患者さんへの責任がありますから休み無しになります。働き方改革を進めている厚労省に我々開業医が逆に不眠不休の体制をとるように誘導されているのはなんとも皮肉なものです。

    ともあれ、当クリニックは在宅支援診療所としての登録を行っており、すでに50人近い在宅患者さんを見ています。おかげで、私は東京や大阪である学会に参加することもできず、専門医を維持することすら困難な状況にあります。