むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • 休みなしの連休でした

    日曜は休日当番医でした。まだインフルエンザもさほど多くないのでゆっくりした診療ができました。それでもインフルエンザの患者さんは数名いました。今後増加すると思われます。注意しましょう。それより多かったのは、胃腸炎です。胃腸炎は嘔吐、下痢が特徴的ですが、高熱が出る場合があります。初期段階は熱と倦怠感だけで、1日経ってからお腹の症状が出てくることがあります。風邪症状(喉や鼻の症状)がなく熱が高い場合、胃腸炎の可能性も考えないといけません。

    診療が終わったら大急ぎで帰宅し、その足で済生会病院の連携の会に参加しました。熊本じゅうのドクターが集まったんじゃないかと思うほど大入り満員でした。久しぶりにあういろんな先生たちと挨拶できました。このように、病院主催でやってくれる連携の会は本当に有用です。お互い顔の見える関係性を保つことで、困った時に助け合う気持ちが強くなります。

    結局、連休でしたが全く休むことなく働きづくめでした。月初でもあり、空いた時間は全部レセプトのチェックに当てました。お陰で今月はチェックは素早く終了しました。ここで一つ大切なポイントです。疲れた時に甘いものを取りたくなりますが、それは間違いです。甘いものを食べると頭で幸せホルモンが出て一瞬幸せになりますが、血糖が上がってその後下がるのは体調を悪化させる原因となります。

    県庁前の銀杏並木のライトアップが始まりました

  • コウノメソッド

    認知症の治療を劇的に進化させた河野(こうの)先生が熊本に講演に来られました。以前から著書を読んで勉強し、できる範囲で実践してきたのですが、じかにお会いして講演を聴けたのはラッキーでした。私にとっては芸能人に合うより価値あることです。なんと、主催者から声がかり講演会の後の食事会にも参加できました。河野先生はこのように臨床の中からキラリと光る新しい治療法を確立されただけあり、じかにお話してみると、哲学的な面と鋭い勘の持ち主なんだなということが感じられました。

    優れた臨床家というのはマニュアル通りには治療しません。昔からさじ加減と言いますが、薬の量を決めるとき規定通りでなく患者さんごとに必要量をうまく加減することのできる人が一流です。例えば認知症の薬は投与規定を読むと、低用量から徐々に増量して最終的には最大量まで使うように書いてあります。これは製薬メーカーの思うツボです。大学病院などで教育を受けた先生はそのマニュアル通り治療すると思います。

    一方コウノメソッドでは非常に低用量を使います。たくさん使ったら副作用が増えるのです。また、認知症の薬は飲めば認知症が治ると思うかもしれませんが、そんな簡単なことではありません。今日の講演でもコメ、パン、麺などの炭水化物は食べないように、ココナッツオイルを毎日取るようにということでした。認知症にも炭水化物制限が重要なのです。

  • 肉の脂身は健康に良い!

    金曜日は金スマで「医者が教える食事術」第3弾が放送されました。この本は当院のロビーにも置いていますが、好評です。時々患者さんから一晩借りて行っていいですか、と言われるくらいです。ベストセラーですから、どこにでも売ってあります。とても勉強になるし、今までの常識が覆されますから、ご一読ください。

    今日のテレビで言っていたことを思い出しながら書くと、「マヨネーズは太らない」「バターは食べたほうがいい」「緑茶は血糖を下げる」「太るのは炭水化物であり、脂肪は関係ない。むしろ肉の脂身は食べたほうがいい」「納豆に卵を入れるときは全卵でなく黄身だけを混ぜること」「適量のお酒は長寿につながる」などでした。なかには本当かな?と思うこともあると思いますが、その理由は本に書いてありますから疑問に思ったら読んでみてください。

    特にこれまでの常識が覆されたと思うのは、植物性油でなく動物性油のほうが健康にいいということ。バターやラード、肉の脂身は健康にいいのです。逆に、サラダ油、大豆油、コーン油、なたね油(キャノラー油)などは要注意です。できるだけ避けるべきです。この植物性油安全説は歴史的に米国のとある報告書ででっちあげられたことがわかっていますが、その後ずっと根拠もなく信じられてきたのです。

  • 風邪を引かないからだとリンパ球の関係

    ためしてガッテンネタです。風邪をひく人、ひかない人がいます。その差はリンパ球にあるとのことです。リンパ球は免疫を司る細胞なので当然なのですが、番組を見て色々な知見を得ました。

    リンパ球は日頃リンパ節にいます。リンパ節とは、風邪を引いたり怪我をしたときに腫れる豆粒大の組織です。ここで、敵の情報を学んで賢くなり、その後血液中に流れていって全身をパトロールします。もちろん数多くリンパ球が全身を回った方が風邪にも強い体になります。番組で面白かったのは、そのリンパ節には交感神経がはりめぐらされており、交感神経緊張状態ではリンパ節の出口が閉まって中にいるリンパ球は血液中に放出されないそうです。逆に、リラックスしている状態ではリンパ節の出口が開いてリンパ球が全身をめぐるのです。したがって、常に緊張状態でリラックスできないと、血液中に出てくるリンパ球の数が減って風邪を引きやすくなるのです。

    リンパ球はがん細胞にも威力を発揮するため、おそらくこの理屈はガンの発症にも関係します。ストレスの多い人ほどがんになりやすいということです。ガッテンでは、リラックスする方法に関する実験もしていました。非常に効果的なのは、①昼寝、十分な睡眠、②ウォーキング③瞑想だそうです。あとは音楽を聴く、足湯などが続きます。心がけ次第で簡単にできることばかりですね。

    下江津湖のススキ

  • 素直に相手の欲求を訪ねることの大切さ

    ある小話を読んだのですが、正確には忘れてしまったので、その雰囲気をオリジナルで再現します。

    あるところで、男の人が道を歩いていたら大きな穴におっこちてしまいました。一人では出られません。そこに医者が通りかかりました。「怪我はないようだね。痛いところに貼るシップをあげましょう」つぎに牧師さんが現れました。「助かると信じて祈りなさい」次にケアマネージャーがやってきました。男の家族構成、家の間取りなど聞いて「今度ケアプランを持ってきます」と去って行きました。つぎに心理カウンセラーが来ました。生い立ちや両親との関係性などいろいろ聞いたあげく、「あなたの人生において今回穴に落ちたことをポジティブに考えるように」と言われました。つぎに弁護士がきました。「あなたにはこの道路の管理者を訴える権利がある。いつでも連絡下さい」と名刺を置いて行きました。そこへ男の子が通りかかりました。「おじさん、どうしたの?」「ああ、動けないんだ。よかったら救急車を読んでもらえないかな」めでたく男は救出されました。

    まあそんな感じです。みんな職業人は自分の仕事の範疇で物事を考え、行動します。誰に相談するかで人生は大きく変わります。多くの人は相手に何かを聞くときも自分の専門分野に落とし込む作業として話を聞きます。専門外のことを話されたら面倒なことになるし、自分で力になれるか自信がないからです。最後に男の子が素直な気持ちで相手の要望を聞き出せたのが救いでした。(ポイント:穴に落ちた、をガンになった、会社をクビになったなどの個々の悩みに置き換えて考えましょう)