むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • フクロウ症候群

    福岡に漢方の勉強にいってきました。演者は久留米大学の惠紙先生です。メンタルケアの漢方治療について講演されました。当院にもそういう患者さんが多いため、とても参考になりました。最近久留米大学は「フクロウ型」人間の治療を積極的にされています。「フクロウ型」というのは、夜ふかし、朝寝坊のひとです。単なる怠けではなく、どうしても朝起きられないのです。学生だと、朝起きられないために毎朝親に怒られて、ぎりぎり間に合ったり遅刻したり、なかには通常の学校を諦めて通信制の学校に切り替える場合もあります。

    久留米大ではこのフクロウ型を専門に扱うフクロウ外来を始めたところ、すごい数の患者予約が殺到し、今現在で来年の5月まで予約でいっぱいだそうです。しかも、九州各地から問い合わせがあるため、熊本の患者さんは熊本で見てもらえないかと依頼を受けました。当院でも以前からフクロウの漢方治療を行っているので、できるだけのお手伝いはしたいと思います。

    今回の講演ではフクロウ型も背景は1つではなく、起立性調節障害、メニエル症候群、不登校、自律神経失調症、適応障害、発達障害などいろいろな病態でフクロウ型を呈しているので、漢方もそれに応じた治療法を考えないといけないというものです。また、首のレントゲンを取ると8割以上に異常があると言われていました。そのあたりが新たな治療のポイントになりそうです。

    博多 住吉神社

  • 慢性痛を治す

    ためしてガッテンを見ていたら、慢性疼痛の話でした。腰痛を始め慢性化してしまうとその痛みはなかなか取れません。もしかしたら一生続くかもしれません。そう考えると、気持ちも沈んでしまいがちになるし、今まで趣味としていたことも諦めてふせってしまう人も多いようです。今回のがってんで言っていたのは、このような慢性痛に悩まされる人は、痛みをなんとか克服しよう、治して元通り元気になりたい、と痛みに対して正面からぶつかり、一日中そのことを考えていますが、それをやめることが第一歩だとのこと。要するに、痛みはあっても仕方ない。それがあってもやりたいことを諦める必要はない。カラオケが好きなら歌えばいいし、映画が好きなら愉しめばいい。そんな内容でした。

    慢性化した痛みは、痛い場所が悪いとは限らないというのが最近の話題です。頭に痛みが染み付いていて、勝手に痛みと感じてしまうのです。このように頭に染み付いた痛みを和らげる薬があります。当院でも結構使っていて、手応えを感じています。残念ながら100%効くとは言えませんが、今までなかなか取れなかった痛みが取れる場合があります。

    ガッテンでは痛みの日記をつけることを推奨していました。日記をつけることで、痛みが軽かったときの行動パタンが見つかることがあるからだそうです。しかし、私はこれには反対です。記録すると、とるに足らないほど些細な痛みにまで注目してしまい、痛みに敏感になってしまうからです。日頃の診療で感じる痛みに最強の人は認知症の人です。転んでも歯が折れても全く痛かったことを覚えていません。痛みに対する恐怖心がないことこそ最強だとつくづく実感します。

  • レシチンを飲んだ結果は・・

    ケアネットTVという医学教育番組をネットで見放題契約して2日目ですが、空き時間を利用してどんどん情報を仕入れています。従来このケアネットは月刊DVDだったので、帰宅してからDVDが見られるパソコンで再生して勉強していました。見終わったDVDが大量に本棚を占拠しています。ところが、今はオンディマンド配信なので、家の本棚にストックする必要もなく、何千とあるプログラムを検索してみたい番組をすぐ見ることができます。また、講義は1.3倍とか1.7倍速で再生できるので、時間の節約になります。

    製薬会社の講演は最終的には薬の宣伝で落ち着くので、どこまでが本心でどこからがリップサービスかを見極めないといけませんが、ケアネットはこちらがお金を払っているので、そのような宣伝は一切ありません。純粋に学問的な番組です。私がこの勉強で賢くなれば、どれだけの患者さんが救われるかを考えると、ご飯を食べる暇も惜しんで(実際は食べながらですが)勉強です。

    さて、先週はホスファチジルセリンを飲み、今週は卵黄レシチンを飲んでいます。この2つのサプリは体内では同じ物質に代謝されるそうですから、理論的には大差ないはずです。飲み比べた結果、どちらも頭にかなり効いています。仕事が終わっても全く疲れておらず、それからさらに500枚のレセプトチェックをしてもまだ余力があります。寝るとレム睡眠が増えるようで、あっという間に朝が来ます。肌の調子はレシチンのほうが効き目がいいようです。疲れ知らずの体となった今、進化は止まりません。

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  • タンパク質+鉄=健康

    テレビネタです。食べて太るかどうかはカロリーではなく栄養素を見るべしと言っていました。炭水化物が太る原因です。例えばラーメンでも、塩ラーメンは太りやすく味噌ラーメンは太りにくいと言っていました。味噌に含まれる栄養素が代謝を良くして食べたカロリーを効率よく燃やしてくれるのだと思います。また、単品のラーメンより、卵、チャーシュー、ネギなどトッピングの全部のせのほうが太りにくいと言っていました。このことは、私もだいぶ前から知っていましたのですでに当院では患者さんに指導していました。

    信じがたいことですが、番組では二郎系ラーメン(もやしやチャーシューが山のように入っている)を昼ごはんに毎日食べ続けたらやせた!という検証実験が報告されました。驚きですね。とにかく日本人は炭水化物に偏った食事をするため、太りやすい、糖尿病になりやすい、ウトウトしやすい。もっとタンパク質を摂って、炭水化物を減らさないといけません。

    今日、本を1冊読みました。藤川徳美先生の「薬に頼らず子どもの多動・学習障害を治す方法」という本です。https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51nlVISyhFL._SX338_BO1,204,203,200_.jpg

    今月発刊されたばかりです。多動、発達障害の子供を持つお母さんは大変です。当院にもたくさん来られています。ストラテラやコンサータという薬がよく効くので当院でも処方していますが、この本のとおりに頑張れば薬が要らなくなると言う内容です。コツは、上記したラーメンの話と同じで、炭水化物を制限する、タンパク質を積極的にとる+鉄を補うです。あとは、ビタミンB,C,Eなどを適宜入れるのですが、ナイアシン(ビタミンB3) が重要です。当院でも、全く同じ治療法を多くの患者さんに指導しています。ぜひ、多動・発達障害と言われている子供をお持ちなら、この本を読んで実践してみてください。たいてい、親子で鉄不足、蛋白不足ですから、子供だけでなくお母さんも同じ治療を受けたほうがいいみたいです。漢方の世界では母子同服といいます。

     

     

  • 日々是勉強

    わたしたち医者は一生勉強が必要です。医学は常に進歩しています。たとえば私が医学部の学生だった頃、薬理の授業は1年間あり、のんびり勉強していました。しかし、いま医学部に通ううちの息子は薬理を2ヶ月で終了します。同じ内容を学ぶとしたら6倍のスピードです。ということは、6年間で私の学生時代の6倍の情報量を学ぶと考えられます。それだけ、勉強しないといけない量が増えているのです。ということは、わたしたちも今の医学についていくためには毎日必死で勉強しないといけません。大学病院や国立病院など大きな施設で働けば、常に自分より詳しい先輩がいて教えてくれるので、何もしなくても日々勉強ができますが、わたしたちのように開業していると医者は自分ひとりです。自分で求めない限り進歩はありません。

    勉強には読書が一番ですが、今はネットでもかなり勉強できます。また、学会や製薬会社主催の勉強会もあります。ただ、開業していると学会に行く暇はあまりありません。製薬会社の勉強会はできるだけ参加して勉強するのですが、診療のあとで眠くなるし、行ってみたら全然おもしろくない場合もあります。読書なら自分の時間で読みたいところだけ読めるのでいいのですが、それなりに努力が必要です。私はかなり速読で、一日1冊は読めるのですが、記憶に残らなければ意味がありません。

    いろいろ考えて、一つ勉強ツールを契約しました。ケアネットTVというネットで医学講座を有料配信しているサイトです。以前はケアネットから月刊のDVDを定期購入して勉強していましたが、DVDはなくなって、ネット配信に変わったのです。月会費は結構高いのですが、何千とある医学講座を見放題です。さっそく、毎日のように行っている甲状腺エコーの腕を上げたいと思い、講義ビデオをみました。とても役に立ったので、繰り返し5回ぐらいみました。それだけで今月の会費のもとを取った気分です!