むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • 藤川理論はまずやってみること

    先日、藤川徳美先生の新刊を紹介したブログを書いたところ、当院でも藤川理論の診察をしてほしいという問い合わせが殺到しています。残念ながら、当院は通常の内科や漢方を主としたクリニックのため、血圧の薬などで定期的に来られる患者さんでいっぱいです。心療内科も見ていますが、心療内科の患者さんは話が長くなるので、人数を制限しています。1日に100人患者さんを見るためには一人あたりの持ち時間は2−3分です。それなのに10分20分と話が長くなると、内科の患者さんを相当待たせてしまいますので、たくさんは見られません。時間の限り診て差し上げたいのですが、時間には限りがありますので、無限に増やすことはできません。

    そこで藤川理論ですが、藤川先生が素晴らしいのはすべてのノウハウを包み隠さず全て本に書いてあることです。本を2−3冊読めばあとは書いてあるとおり実行するだけです。プロテインやビタミンの買い方や飲み方など全て本に書いてあります。読んで書いてあるとおりにするだけですから素人でもできます。たまに当院に相談に来て、iHerb.comでビタミンを買ったことがない人がいます。藤川理論を実践するのにネット通販ができない人に私が買い方まで説明している暇はありません。

    書いてあるとおりにプロテインやビタミン、鉄などを買って飲めている人はその調子で頑張ってください。効果はすぐに出るわけではありません。数ヶ月単位で徐々に改善するので、かかりつけでもらっている安定剤なども急にやめずに続けてください。途中、フェリチンの値やBUN(尿素窒素)など検査が必要なら、当院にご相談ください。採血結果から、ビタミンや蛋白が足りているかなどの判定やアドバイスはお引き受けします。藤川理論を始めとしたオーソモレキュラー療法は自由診療の施設が多いですが、当院はすべて保険診療です。ただし、ビタミン類は自分でネットで購入してください。

    博多 中洲の灯台

  • 認知症薬開発中止のニュース

    エーザイがアルツハイマー治療薬の新薬開発をしていたのですが、3つある候補のうち2つを中止すると発表しました。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49820530T10C19A9TJC000/残るはあと一つになりました。これまで、バイエル、メルク、リリー、スミスクラインなど欧米大手製薬会社も全てアルツハイマー型認知症治療薬の開発を断念しています。いかに難しいかがわかります。現在アリセプトなどいくつかの薬剤が保険適応になっているから認知症は早期治療で治ると思っている人も多いかと思いますが、それは甘いです。そんな簡単なものではありません。私は開業前には桜十字病院で老人を主とした診療をしていました。外来の平均年齢が90歳くらいです。そういう中で、アルツハイマーの治療なんて全く無駄だと感じていました。どれだけ処方しても良くなる人なんてほとんどいません。

    多少いいのは気性が荒くなったのを抑えたり、パーキンソン様の症状を改善したりという周辺症状の治療です。これは少し改善しますが、中核症状と言われる物忘れ部分は殆ど改善しません。改善するとしたら、本当に進んでしまう前のごく初期です。脳が萎縮してしまったあとにもとに戻すのは現段階では不可能と思います。

    すすんだ認知症は自分が物忘れしたことを気にしないですが、初期段階では思い出せないことをすごく気にします。こういう人は病院ではまだ認知症ではないと言われるし、そういう人にだす処方はないのが現実です。しかし、私の最近の経験からレシチン(ホスファチジルセリン、コリン)は間違いなく脳を活性化します。ビタミンB,C,D,Eとナイアシンも必須です。欲を言えば、EPA/DHAという魚油も脳に良い働きがあります。また、肉や卵をたっぷり取ること、糖質を摂りすぎないことは基本です。これらを総合的に、できるだけ早期に取り組むことが大切だと思います。

    ただ、万一ボケてしまったら、それは神様からのプレゼントです。癌になることも自分の死が近いことも全然怖くなくなります。認知症の薬というのは神様のプレゼントを突き返すようなものです。だから新薬開発はうまく行かないのです。まずは感謝しましょう。

  • 第三医学という漢方流派

    生け花や茶道に流派があるように漢方にも流派があります。日本独特の古法、中国の中医学というのが大きな2つの柱です。表千家と裏千家みたいなものです。私は最初から中医学を勉強してきましたので、今でも古法の流派の人が発表する内容はあまりピンときません。ただ、日本で漢方をやっている人の割合は、古方のほうが圧倒的に多いです。しかし、中医学のほうが理論整然としているため、若い世代で漢方に取り組んでいる人は中医がかなり増えています。

    そんな中、第三医学という流派が最近話題です。中医でも古法でもない第三の漢方流派という意味ですが、これまでは山本漢方と呼ばれていました。提唱した山本巌先生の流派です。私も、この10年くらいはもっぱら山本漢方(第三医学)をやっています。独学ですが、座右の書は山本巌先生の漢方の解説本です。困ったときはいつもそれを読みます。

    実は、先日フクロウ型の漢方治療をやっていますと書きましたが、このフクロウ型というネーミングは山本巌先生です。10年以上前に東洋医学会でフクロウ型の治療を発表されていた先生がいて、それが誰だったかは覚えていないのですが、発表内容はとても印象的でした。それ以来私もフクロウ型人間の漢方治療にずっと取り組んでいます。久留米大学から私に声がかかったのも、そのような背景を知ってのことだったようです。これを機に、第三医学の勉強会にも積極的に参加してみようと思っています。

    博多 住吉神社

  • 熊本も国際化の波

    昨日は熊本でもラグビーのワールドカップがあり、大変な賑わいでした。とはいえ、スポーツ観戦に全く興味がない私は会場方面には近づいていません。下通はフランス国旗をマントのようにたなびかせた外国人(多分フランス人)が大勢歩いていました。でっかいリュックを担いでいる人が多かったです。また、新市街では通りの中央にビアガーデンみたいなのが出店していて、多くの外国人がビールを飲んで騒いでいました。熊本にこれだけ外国人が来るのは珍しい!なんだか国際的な感じがして嬉しかったです。

    それにしても、日本は花見の文化があるのでお酒に寛容です。アメリカはとても厳しく、公園やビーチなどでビールなんて飲んだら即逮捕されます。紙袋に入れたビールをビールとわからないようにしてこっそり飲むのがせいぜいで、酔っ払って千鳥足なんてアメリカでは許されませんでした。一方、ヨーロッパは、カフェなど店の外にもテーブルを並べて通行人を眺めながらお酒を飲みます。ドイツにはビアガーデンがありますから、公園に並べたベンチでソーセージと生ビールなんて普通です。ということは日本はアメリカよりヨーロッパ文化に近いんでしょうか。

    ところで今日のニュースで在日中国人の白タク業者が逮捕されたということでした。すごいのは、携帯のアプリで日本国内の中国人が経営する白タク配車サービスがあり、そのアプリ内でキャッシュレス決済しているので空港などで車を降りる際にも金銭授受がないので白タクとわかりにくい。TV局が運転手にインタビューしていましたが、友人を連れてきただけと言い張っていました。中国のキャッシュレス文化は日本人の想像を超えるところまで進んでいて、気がついたら日本国内にも入ってきている。これから日本人には外国人がどんどん入ってきます。遅れをとってはいけません。守りではなく攻めの姿勢で行くしかありません。

    住吉神社 博多

  • 忙しくてめまいがした

    めまいがするほど忙しいといいますが、先週はレセプトチェックなども重なってとても忙しく、本当にめまいがしました。朝目覚ましがなったのを止めようとして体の向きを右に変えた途端、グラグラっときて手元がおぼつかなくなって、目覚ましがなかなか止まりません。なんとか止めて、体を起こしたらグラグラーと回転してきて手を壁につかないと姿勢が保てませんでした。さいわい、2−3分もするとめまいは止まったので、起き上がりましたが、2階の寝室から1階へ降りるときは手すりにしがみつくようにして降りました。ムカムカして来て、朝ご飯は入りません。コーヒーを少し飲んだら落ち着きましたが、一日気分が悪かったです。

    うちにはめまいを止める薬などなにもないので、めまいに効くツボを指圧してとりあえず仕事に出ました。今回は忙しすぎて目が回りましたが、医学的には良性発作性頭位めまい症といいます。頭位めまい症ですから頭の方向でめまいが誘発されます。今回私の場合仰向けから右にを下に体制を変えたときに起こりました。試しにもう一度やってみたら、グラグラっとめまいが再現できました。

    このような場合は、エプリー法というめまいを治す体操みたいなのがあります。YouTubeにありますから、是非参考ししてください。ゆっくりと体をまわすのがコツです。私もこのエプリー法を3−4回してほぼ治りました。昼には往診にでかけたり、普通通りの診療ができました。ただ、漢方の苓桂朮甘湯というめまいの特効薬を数回飲んだのがとても良かったです。朝から薬局で買ってきてすぐに飲んだので助かりました。今日で3日目ですが、すっかり良くなりました。

    妻にこのエピソードを話したら、年だねー疲れがたまってるんだねーと言われましたが、頭位めまいは歳とは関係ない(と思っています)。耳石というゴマ粒みたいな石が内耳の三半規管にひっかかった症状なので、ひっかかった石を体操でとれば治るのです。ただ、石がひっかかるきっかけはストレスや過労かもしれません。