むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 話し方は難しい

    ふらっと本屋に立ち寄ったら平積みになっている本が目に止まりました。「神トーク(星渉:ほしわたる:著)」という本です。職場などで部下を頭ごなしに叱ったりしても部下のモチベーションは下がるだけでいいことはありません。この本にはそういうときにどのように話したらいいかが書いてあります。ひとつの章をみると、「否定しない」+「気づかせる」+「答えを言わない」+「正さない」の4つを気をつけると素晴らしい効果があると書いてあります。たしかに、きっと効果的なのだろうと思います。その他にも、すぐにも役立つ話し方が書いてあったので、とても勉強になりました。

    しかし、私のところに薬の宣伝に来る製薬メーカーさんが、時々このような相手に気づかせて自発的にその薬の価値を認めさせるトークをする人がいます。おそらく社内でトークを練習してくるのだと思います。こういう患者さんがいたらどんな薬を処方しますか?その時採血データがこんなだったら(例えば腎機能が悪かったら)どうしますか?その時はどういう薬を選びますか?まるで学生時代に口頭試問を受けているみたいで不快です。おそらくメーカーの言いたいのは「このような患者さんを見たときに(たとえば腎機能が悪い糖尿病患者に)うちの薬を思い出してくれ」というのを直接言わずに、私が自発的に考えてそういう結論に至ったかのように誘導するわけです。

    「気づかせる」+「答えを言わない」といえば、例えば部下に頼んだ仕事が期限を過ぎても上がってこないとき、「何ボサボサしているんだ!」と怒らず、「いつまでにしてと頼んだっけ?」と相手に気づかせろという話ですが、言い方を間違うと逆にイヤミな上司になります。本を読んで実行するのはいいですが、よく考えて上手に話しましょうね、上司の皆さん!

  • 将来の夢は具体的に!

    正月休みが明けたと思ったら早速連休ですね。正月休み明けは仕事のペースも乗らず体調が優れない人も多いと思います。ここでひと休みして来週からの本格的な新年の仕事に備えましょう。当院もこの木曜くらいからそうとう忙しくなってきました。土曜日は駐車場に車が止められないほどたくさんになりました。待ち時間があまり長くならないように効率よく働いているつもりですが、お待ちいただいた方にはご迷惑をおかけしました。

    今日は、私がクリニックを開業しようと思った時の話を書きます。勤務医で親も病院ではなかったので、クリニックをどのように開業したらいいのか全然わかりませんでした。そこで、当時熊本市内で次々にクリニックの立ち上げをコンサルされていたFさんにお願いすることにしました。そこでは、はじめにどんな病院にしたいか私の思いをコンサルに伝えることから始めます。一日何人の診察をするか、事務や看護師を何人ぐらい雇うか、イメージは具体的でないとコンサルも話を進められません。

    私は当時桜十字病院の外来部長だったのですが、3−4人の医師で一日100人ちょっとみていました。そこで、一人でできる限界は100人くらいだと考えました。そうすると、必然的に駐車場は20−25台分のスペースが必要となります。そのように、自分の夢をいかに具体的に考えるかで土地の広さが決まり、建物の設計が決まり、スタッフの人数が決まります。夢が現実になる基礎ができるわけです。もし自分の夢が一日20人見るなら駐車場も5台ほどでいいし、建物も小さくて済みますが、私の夢はもっと大きかったのです。そして、今まさに一日100人を見るクリニックとなりました。私の夢が叶った瞬間です。

    上江津湖

  • 笑う門(かど)には福来る

    最近は毎日時間があればYouTubeで鴨頭嘉人(かもがしらよしひと)さんの講演を聞いています。とても勉強になります。気付かされることがおおく、聞き流すのがもったいないのでメモしながら真剣に聞いています。YouTubeプレミアム会員だと、動画をダウンロードできるのでオフラインでも聞くことができます。車の中でも犬の散歩中でもiPodで聞いています。

    最近その講演の内容で気になったのは、女性は微笑むのがうまいが、男性はめったに笑わないということです。たしかに、男が笑いながら仕事していると、まじめにやれ!と叱られると思います。一方、女性は白い歯を見せてニコっと笑えばたとえそれが愛想笑いだとしても可愛らしく見えます。そういう話をなるほど~と思いながら聞いたのですが、診察しながら患者さんの顔をよーく見ていると、たしかに女性はどんなにきつくて体調が悪くても診察の数分の間に何度もニッコリ微笑みます。一方男性はほとんど笑いません。

    鴨頭さんの講演によると、まずは笑顔の練習をしなさいということです。歯を磨きながら鏡を見ながら笑うのが一番です。作り笑顔でも、笑っていると幸せを呼ぶ効果があるとのこと。昔から「笑う門には福来る」といいますが、ほとんどの人は楽しいから笑うと思っています。実は逆で、笑っていると幸せが来るのです。たとえ作り笑顔でも福を呼ぶということです。落ち込んでいるとき、イライラしているときこそ、笑いましょう。きっといいことがありますよ。

  • ピンピンころりしたければ血圧やコレステロールはきちんと管理すべし

    毎週たけしの家庭の医学とか、芸能人の精密検査をして余命何年という番組があっていましたが、今年の3月で終了するそうです。ネタが尽きたのではないかというのが週刊誌のコメントです。先日も、芸能人の余命を大げさに短く言う番組があっていました。見ている人は誰もそれが本当だとは思わないでしょう。こういう番組は医療の現場でも逆効果です。私達が患者さんに真剣に健康指導しても、どうせ大げさに言っているだけだと思われかねないからです。

    今日も、そういう患者さんがいました。血圧もコレステロールもむちゃくちゃ高いのに全然積極的に治療を受け入れない。薬を出してもまともに飲んでくれない。まだ50代で若いのに、ころっと死ねるならいつ死んでもいいなんて言われる。

    私は、日頃の診療では血圧もコレステロールもそれほどうるさく指導はしません。ガイドラインで言う治療基準は製薬会社との絡みも十分考えられるからです。しかし、今日の患者さんには珍しく厳しくお話しました。ピンピンコロリしたいなら血圧、コレステロール、血糖はきちんと管理することです。放って置くと、10年か20年後に、脳卒中や心筋梗塞になり、それから先ずっと寝たきりで家族や介護施設のお世話になりますよ。今は医療が発達しているのでなかなかころっと死ぬことはありません。心筋梗塞や脳梗塞になると、救命に何百万というお金がかかります。なんとか助かったら1泊10万円の集中治療室で何日も過ごすなんてことがザラにみられる時代なのです。

     

    江津湖

  • 働き方改革とはこれでいいのか

    経営者セミナーに参加してきました。演者はメガネのヨネザワの米澤社長でした。生い立ちから現在に至るまでの苦労話、仕事に一生懸命に取り組むことの大切さを話されました。一代でこれだけの大企業にした社長さんのお話はとても勉強になります。講話の中で、働き方改革の話がありました。時短時短といって10の仕事を7しか働かなくなったら会社の売上が7割になる。当然給料も7割になるはずです。それでいいはずはありません。みんなが想像しているのは、残業をカットして10の仕事を7にしても、今まで通りの給料をもらいたい。そんなうまい話があるのでしょうか。もしあるとしたら、仕事の効率を14くらいにしないといけません(14x7=98)仕事の効率を想像以上にアップしないと今までどりの給料をもらえない計算です。

    国やマスコミは時短のことばかりいって、仕事効率を4割あげないといけないなんて誰も言いません。騙されているとしか言いようがありません。責任感のある人は、時短だから帰宅しろと言われても仕事は終わるはずもなく、書類を持って帰って家で仕事をしています。そうしないと終わらないからです。役所務めの人たちは国の方針で残業カットと言いながら仕事量は減るはずもなくとんでもなく苦しんでいます。また、国はサイドビジネスを推奨していますが、残業せずに帰宅したあと別の会社でバイトするなんて、かえって効率が悪い働き方になるのにおかしな話です。

    今のまま働き方改革が推進されれば国の力はますます衰退し外国には追いつけなくなります。日本総貧乏の時代に突入です。会社を起こして成長させようとしている人たちは死にものぐるいで働いています。時短してのんびり暮らしたいならそれもよし、死ぬほど働いてリッチになりたければそれもよい。そういう働き方の自由があってしかるべきだと感じました。ちなみに私は朝7時から夜7時まで12時間働いています。これまでも、これからも、です。

    神水 健軍川が江津湖に合流する付近