むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 自律神経の話

    動悸、発汗、のぼせなどがみられると、更年期かと思いますが、歳も60すぎて更年期は10年前に終わったとか、まだ30代の場合などは自律神経失調症です。自律神経失調は治療がなかなか難しい病気とされています。産婦人科医にいけば、ホルモン補充療法をするかどうかと言う話になります。60過ぎていたり、まだ30−40代で女性ホルモンに問題ない(けど症状だけある)場合、経過観察となってしまいます。また、漢方を使う婦人科の先生だと、加味逍遥散や桂枝茯苓丸が処方されます。

    しかし、私の見立てでは、桂枝茯苓丸より当帰芍薬散の方があっている人の方が多いと思います。ここは、厳密な漢方の弁証(見立て)が必要なので、漢方をもらっているけどあまり効いていないと言う場合、弁証が違っている可能性があります。西洋薬では古くはグランダキシンという安定剤を処方されることが多いのですが、私はほとんどこの薬を使いません。他にもっとよく効く薬があるからです。たまに、デパス(エチゾラム)やソラナックス(アルプラゾラム)が他院で出ていることがありますが、当院に来たらこれらの安定剤は極力他の薬に置き換えています。

    自律神経は自分の意志で調整できない神経です。交感神経と副交感神経があります。ストレス社会ですから交感神経の過緊張が問題となることがおおいです。そこで、副交感神経を優位にする方法ですが、ゆっくり食事をする、静かな音楽を聴く、お風呂に入る、運動をするなどです。運動やサウナなどはその最中は交感神経ですが、終わったら副交感神経に大きく振れます。また、日常の睡眠、起床、食事などのリズムを一定に保つことが大切です。

    城南のインド・ネパール料理「エベレスト」。往診の通り道にあり気になっていたので行ってみました

  • 興味を持ったらとことんやる

    私が台湾ドラマにハマったきっかけとなった「俺オレ」というドラマを久しぶりに見直してみました。驚いたことに、初めて見たときとは全然印象が違う。私の中国語の理解がすすんで、字幕に書いていないセリフの内容までわかるようになっていました。自分でも驚きです。私はいつも興味を持ったらとことん根を詰めてその分野を極めます。大抵、半年もすれば人にレクチャーできるほど詳しくなります。漢方も最初そうでした。最近で言えば、分子栄養学。とことん勉強して、実践して、ものにしました。中国語も現在進行中ですが、毎日1時間は台湾ドラマを見るのでどんどん言葉がわかるようになります。また、最近韓国ドラマにも手を出したので、韓国語もそのうちマスターするのではないかと思っています。

    韓国といえば、韓国料理、最近ハマっています。下通りにハヌルという韓国料理屋さんがあります。たまたま通りかかって入ってみたら絶品でした。それからと言うもの週末には必ず食べに行きます。店員さんからもすっかり覚えられて、いつもありがとうございますと言われます。物凄い人気店でフラッといってもほぼ満席で入れません。私は昼3時など、人の行かない時間を狙っていくので予約なしで入れます。

    それだけで飽き足らず、家では毎日ナムルを作っています。大量のもやし、にんじんなどを、だしと醤油、ごま油、すりごま、おろしにんにく、韓国唐辛子などであえて食べます。ハヌルで食べるナムル盛り合わせが絶品すぎて自宅ではとてもまねできないのですが、今日は楽天で韓国人の8割が使うと言われる韓国料理のだし「ダシダ」を注文しました。なんでも興味を持ったら集中的に実践し、気がつけばレクチャーできるレベルになる。私のモットーです。

  • アイドリングストップ機能の終焉

    連日の雨、被害がないといいですが、相当降っていますね。クリニックのほうは、昨日おとといと雨が上がると相当混み合いました。しかし、今日も大雨の中大勢の患者さんにおいでいただきました。「病院なび」と言う病院検索サイトから当院の初診予約ができるようになったのもありますが、連日いろんな患者さんが方々からこられます。一例一例、複雑なパズルを解くような頭の体操です。皆さん、いろんな症状で困っておられます。また、幾つもの病院に通っても治らなかったと言うような難しい症例が集まっています。どう考えても2−3分の診察では終わりませんので、混雑してしまいます。待ち時間が長くなってすいません。

    話はかわって、夏場の訪問診療は暑くて大変です。患者さん宅に車で行くのですが、1軒1軒が車で2−3分の距離なので車のエアコンが全然効かないうちに次の家に着きます。ずっと暑いままです。さらに厄介なのがアイドリングストップです。ちょっとスピードが落ちると勝手にエンジンが停止します。もちろんエアコンも効かなくなります。今日、ネットで知ったのですが、新しいトヨタのヤリス(昔のビッツ)とかRAV-4はアイドリングストップ機能が付いていないそうです。なぜなら、アイドリングストップで得する燃費はごくわずかで、アイドリングストップ機能にかかるコストに見合わないとわかったからです。

    また、アイドリングストップはバッテリー負荷が大きく、車検でバッテリー交換をすれば得したガソリン代以上になります。また、最近のエンジンはダウンサイジングで排気量を落とすかわりにターボがついているので、エンジンがとても熱くなります。アイドリング中にファンで冷却しておかないといけないのに、エンジンが止まってしまうのでエンジン負担も大きくなります。そこで、私はできるだけアイドリングストップ解除ボタンを押します。エアコンも止まらず快適です。

  • 直感で生きる=今を大切にすること

    昨日は、処方を考えるときに直感に頼らず、理詰めで考え抜くと言う話を書きました。医療をする上では、勘ではいけないので、しっかりと根拠を考えます。しかし、日常生活の上ではもっと直感に頼った方がいいのではないかと思います。私たち人間も動物ですから、危険か安全かなどと言うことは結構直感でわかります。その直感を鈍らせているのが世間体とか人の意見とか金銭面の都合などです。例えば、川沿いのアパートの物件を紹介されたとします。「いい景色だな。ここなら友人からはいいとこ住んでるね、と言われるだろうな。でも、大雨の時大丈夫かな?でも家賃が思ったほど高くないし、ここに決めようかな」と、直感を無視して世間体や金銭面を優先した結果、水害にあったりします。

    では、私たちはどのように日々を暮らしたらいいのか。まずは直感力を鍛えることです。もし、目覚ましがなる前に目が覚めたら、それが体の教える「起きろ」のサイン。その時間に起きると何かいいことがあるかもしれません。部下からこれはどうしましょう、ときかれたとき、GOサインを出すか止めるか、の判断も直感に頼る。じっくり考えてもどうせ正しい答えになるとは限らないからです。もし道端に百円が落ちていたら、すぐ拾う。後で、と思っていては、もうそこにはないからです。もし道端にバナナの皮が落ちていたらすぐ片付ける。あなたかそのタイミングで拾わなかったら誰かが滑って怪我するかもしれないからです。

    「気づいた時に気軽に、喜んで、さっと処理する。気づくと同時に行う。これが成功の秘訣、健康の秘法である」「一日は今の1秒の集積である。今を失う人は一日を失う人」と言うのは丸山俊雄先生の言葉です。来るか来ないかわからないような将来の不安を膨らませて今の時間を無駄にするのは人生の無駄です。今を楽しみましょう。

  • 処方を決めるとき、ひたすら考える

    以前、医学部の学生さんたちに漢方外来を見学させていたとき、最後に何か質問は?と聞いたところ、「先生は処方を決めるのにいつもそんなに時間をかけるんですか」と言われたことがあります。そうなんです。私は、一例一例結構時間をかけて考えます。ちょうど将棋の対戦みたいに、一手を打つのに10通りくらいの方法(可能性)を考え、それぞれから起こりうる未来を一つずつ検証して、それが患者さんにとって好ましいかどうかを判定します。そして。もっとも良さそうな処方を決めるのです。たまに、診察の最中にどんな処方を出されますか?と尋ねられますが、正確に答えるなら「まだ決めていません」です。患者さんが診察室を出てからもあれこれ考え、パソコンに処方を入れてはもう一度考えて、別の処方に書き替えてはまた考えて、と繰り返します。

    直感も大事なのですが、かなりのところまで理詰めで考えて処方します。結果として、最初に直感で思い浮かんだ処方と実際に出した処方は結構違う場合があります。そうすると、家に帰ってその患者さんのことを思い浮かべても、結局どの処方をだしたか思い出せないことがあります。私はこのやり方で、ずっとやっているので、最近は精度も上がってかなりの難病(どこに行っても治らなかった難しい症例)でも、結構いい感じに改善している印象です。もちろん、私が処方しても治らない時は治りませんけど・・。

    西洋薬も同じです。たとえば血圧を下げる薬にはいろいろあります。アダラート、アムロジン、デイオバン、などなど。どの薬がどのくらいの強さで、何時間ぐらい効果があって、プラスアルファーでどんな効果が期待できるか、みたいな複雑な思考の結果、最適な処方を考えています。一つ一つの薬には、それを選んだ根拠があり、理屈があるのです。我々開業医は調剤薬局に無理を言って使いたい薬をほとんど入れてもらっているので、根拠を持って選んだ薬を実際に使えるのがありがたいことです。