むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 鉄不足は体調不良の原因

    先日来られた足がムズムズして眠れないという女性、典型的な「むずむず脚症候群」でした。女性に多いのが産後の不調なんですが、多くは鉄欠乏が原因です。採血してみると、貧血はほとんど見られないものの鉄が正常下限。貯蔵鉄(フェリチン)も極端に低い値でした。鉄を一日1錠開始したところ、2週間後にはムズムズ足は治っていました。ただ、女性の場合、生理の出血で鉄を失うので、コンスタントに鉄をとっておかなければバランスが保てません。当分は鉄剤を飲んでいただきたいと思います。

    多くの場合、鉄は貧血がないなら問題ないと思われがちですが、本症例のように貧血がなくても鉄欠乏で体調を壊すことはよくあります。疲れやすいのも鉄欠乏と関係あります。細胞内にはミトコンドリアというエネルギー産生工場があるのですが、ミトコンドリアでATPというエネルギーを産生する際に電子伝達系という鉄の力で電子を動かして発電するようなメカニズムが働きます。もちろん鉄が足りないと産生されるエネルギーが減るので馬力が出ません。

    鉄を食事で取る場合、レバー、ほうれん草と言いますが、どちらも毎日たくさん食べるのは難しいです。植物性のミネラルは吸収が悪く、赤身の肉に含まれる鉄のほうが吸収しやすいそうです。レバーでなくても赤身の肉なら毎日食べられます。また、鍋を鉄製のものにすると料理の際に鉄分が溶けて入ってくるので簡単に鉄が補給できます。アルミや銅の鍋から溶け出す金属は有害ですから気をつけましょう。テフロンは加熱しすぎると猛毒です。うちはテフロンの鍋はすべて処分しました。ホーローはガラスコーティングですから有害物質が溶け出すことはなく、健康的で美味しい料理ができます。

  • 来年の手帳をゲット

    診察室の壁には3ヶ月分のカレンダーを貼っています。見ると、もう年末はすぐそこです。来年のカレンダーの注文もしないといけませんが、まだそんな気分ではありません。しかし、スケジュールを書き込む手帳はそろそろ来年のがないと長期の予定がかけないので、早速購入しました。2021年版の手帳です。届いた手帳を見てびっくり。なんと9月スタートの手帳でした。今10月なので、先月から使えばよかったのですが、今届いてよかったです。もしこの手帳を年末に入手したら9−12月の4ヶ月分も無駄にするところでした。それにしても、確認しなかったのがいけないのですが、こんな手帳があるんですね。1月以外に4月スタートの手帳は見たことあったのですが、まさか9月スタートがあるとはね。

    最近、スケジュールはスマホのカレンダーに書き込むので、手帳でなくてもいいのですが、去年から手帳の使い方を改めました。予定はスマホ。では、手帳はというと、予定だけでなく、その日にやったことを書く。日記ではないのですが、アマゾンでなにか注文したとか、どこで外食したとか、些細なことを書き留めます。これはスマホのカレンダーではやりにくいので、手帳がいいと思います。

    手帳やスケジュール帳を買うのは楽しいですね。本屋さんにいくとよりどりみどり。自分にあったサイズ、必要十分な一日分のスペース、余白の量などこだわりポイントは無限にあります。そこまでこだわるなら、リフィルのできるシステム手帳でしょうと思われるかもしれませんが、私は毎朝弁当、水筒をリュックに入れて30分かけて徒歩通勤しているので手帳は軽いに限ります。さて、今度買った9月スタートの手帳は使えるか、現在検証中です。

  • 祝 Domino’sピザが近日オープン

    東区の錦が丘公園横にローソンがあったのですが、その跡地にDomino’sピザがオープンするようです。まだ内装工事中ですが、オープン間近と思われます。熊本に2つ目の店舗だと思います。歩いていける距離でうれし~!

    もう一つ今日嬉しかったことがあります。リビング熊本というフリーペーパーの広告でクリニック近くに住友林業の団地(分譲地)のお知らせがついていたのですが、その案内地図の目印に当院が書いてありました。私は、クリニックを建てたときの小さな夢で、このような広告で目印となるようなクリニックでありたいと思っていました。当院は大通りに面していないので、なかなかそういったチャンスはなかったのですが、今回クリニックから1分のところに分譲地ができたことで夢が叶いました!住友林業さんありがとう。

    さて、今日も帰宅後はWEB講演会に参加です。例年東京で開催されていた「STOP NO卒中」というシンポジウムですが、今年はWEB開催となりました。毎年参加していたので今年のWEB講演にも参加しました。熊本市民病院神経内科の橋本先生も講演されました。そして、明日は熊本漢方懇話会という勉強会があるのですが、これも今回はWEB講演となります。私は世話人で司会担当なのですが、クリニックで診察室のパソコンに向かって配信します。演者は福岡の飯塚病院から講演されます。参加者は事前登録ですでに160名を超えているとのことで、盛会になること間違いなしです。

  • 糖尿治療の新時代

    診療が終わって、WEB講演をしました。診察室からパソコンに向かってしゃべるので、会場への移動もなく楽ちんです。今日話題にしたのは、「糖尿病治療でカロリー計算する時代は終わった」という話。糖尿病ガイドラインなどには書いてない、最新の話題。最近は、学会やガイドラインよりも患者さんのほうが勉強して最先端を行っている場合が多いです。なかでも糖尿病は、学会などが炭水化物ダイエットをあまり積極的に推奨しない中、患者さんたちは独自に勉強して取り組んでいます。しっかり取り組めば薬はどんどん減らせます。当院でも、炭水化物制限食を勧めています。

    いちばん、頑張って欲しいのは妊娠糖尿病の患者さん。妊娠中は薬を飲めないので、インスリンの注射を導入されることが多いです。しかし、当院では妊婦さんにもしっかり炭水化物制限をしてもらい、その代わり肉、魚、野菜はカロリーをさほど気にせずしっかりとってもらうようにしています。おかげで、インスリンを使わなくても出産までいける場合が結構あります。

    同じ炭水化物でも食べ方によって血糖の上がり方が異なります。例えば、キャベツなどのサラダを茶碗いっぱい食べてからご飯を食べる方法(いわゆるベジファースト)だと、血糖の上がりはかなり抑えられます。また、同じご飯でも冷やして食べると血糖の上がりは少なくなります。他にも舞茸をご飯と一緒に食べると血糖はあまり上がりません。このように、カロリーは同じでも、食べ方を変えるだけで血糖上昇は抑えられるのです。何のための計算だったのでしょう。これからは何をどのようにして食べるか科学的に考えて食べる時代です。たーだ食品交換表を見ながら電卓でしめて何カロリーと計算しても、食べ方で血糖上昇の仕方が変わるので意味はありません。これは朗報です。食べかたを工夫すれば、ある程度ちゃんと食べても糖尿病は悪化しないということだからです。

  • 難治性副鼻腔炎を治す中西医結合

    昨日は秋のアレルギー性鼻炎の話題を書きました。アレルギー性鼻炎をこじらせると副鼻腔炎(蓄膿)になります。鼻の横(頬)や目頭、前額(おでこ)などを軽く叩くと痛みが響きます。鼻詰まりから骨の空間(洞)に炎症が及んだためです。副鼻腔炎になると頭痛、頭重、顔の痛み、鼻詰まり、などの症状が出て辛いものです。耳鼻科では重症例は手術になります。手術までいかなくても、抗生剤を何度も変更しながら何週間にも渡って治療します。なかなか治らないので治療を諦めて通院しなくなる人も数多くいると思われます。

    そんな中で漢方に期待して来院される方もいらっしゃいます。当院に来る患者さんは耳鼻科でも治らなかった難治例が多いので、こちらも心して治療しないとなかなか治りません。おそらく、当院以外の漢方の先生のところに行くと、葛根湯加川きゅう辛夷という処方が出ることが多いと思います。しかし、私のところではこの処方は3番手か4番手になります。一番手は・・・「辛夷清肺湯」です!これがどの処方より良く効きます。難しい証の見立ては必要ありません。使えばかなりの確率で改善します。

    鼻詰まりも取らないと副鼻腔炎は改善しないので、アレグラなどの抗ヒスタミン剤、シングレア(モンテルカスト)やオノン(プランルカスト)といった抗アレルギー剤、ムコダイン(カルボシステイン)なども併用します。これでかなりの確率で改善するのですが、体調を根本から治すにはビタミンDです。一日5000単位から2万単位くらいの範囲で各自症状が改善する適切な量を使います。中西医結合です。