むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 口内炎にターメリック(ウコン)

    先日ピザを食べていたら舌に血豆みたいなのができて、そこが破れて口内炎になってしまいました。痛い!ビタミンCとEとセレンをあわてていつもより多めに飲んでいます。口内炎がいたいと仕事に差し支えます。一日中患者さんとお話するのが仕事なので、話すたびに痛みで涙が出そうになります。口内炎には黄蓮解毒湯とか半夏瀉心湯という漢方がよく効くのですが、医師は自分で自分に薬を処方することが禁じられているため、あまり漢方薬を持っていません。そこで、代わりになるものとして、カレー粉の成分のターメリックを使ってみました。ターメリックはウコンです。黄色い粉で、ショウガ科の植物ですから少し生姜に似た味です。ターメリックをスプーンですくって口にくわえてお茶で流し込みました。すると、すっと痛みが取れました。

    ラッキー!そのあと、歯を磨いたら、歯ブラシが黄色くなってしまいました。ショック!しかし、痛みが確かに和らいだので、朝から仕事前にターメリック入りのスープを作り飲みました。そして、ランチにはターメリック入りの豚汁を作ってランチジャーに入れて持っていきました。おかげで、午後の診療もなんとか無事こなせました。夜はターメリックをたっぷり入れたモツ鍋、美味しかった!

    ターメリックは認知症予防に有効だと言われています。アメリカとインドで同じ年齢の人を調査すると、インド人の認知症はアメリカの4分の1と言われており、その原因が、カレーにあると考えられているのです。認知症予防に有効なのは、そのほかに、DHA/EPA(魚の油)、シークワーサージュース、ココナッツオイルなど。逆に認知機能を落とすのが白砂糖、アルミ(鍋や缶ジュース)などです。たっぷりのゴハンは砂糖と同じですからだめです。カレーはいいけどカレーライスはだめ!ということです。日本人の好むコシヒカリ系の米は糖度が高いので注意しましょう。インド料理ででてくるタイ米は糖度が低いので大丈夫です。私は家で米はめったに食べませんが、タイ米を買っています。

    南阿蘇 ホテル夢しずくの露天風呂からの眺め  中岳に雲がかかっています

  • 腎性貧血の新しい治療

    慢性腎臓病、腎不全になると貧血を合併します。それを腎性貧血といいます。腎臓は造血ホルモンであるエリスロポエチンという物質を分泌して赤血球の合成を促進しているのですが、腎機能が低下すると、造血ホルモンの分泌も減って貧血になるのです。このエリスロポエチンを発見したのは熊本大学の宮家先生といいます。私は熊大医学部を卒業して血液内科の研修医になったので、その当時エリスロポエチンが発見されて間もないころで、宮家先生の苦労話はよく聞かされていました。そして、研修医時代にはすでに大腸菌で遺伝子組み換え技術により作成したエリスロポエチンが医薬品として登場し、私たちもその臨床治験を行いました。

    そのように、当時からエリスロポエチンを使って貧血治療をしていたので、この薬には馴染みがあります。開業する前には桜十字病院で透析を担当していたので、腎不全で透析になった患者さんの多くにエリスロポエチンを使っていました。その流れで、現在開業してからも腎臓が悪くて貧血になっている場合、エリスロポエチンの注射を使った治療をしています。貧血は、鉄欠乏だったり、再生不良性貧血だったり、加齢による造血機能の低下だったり、骨髄異形成症候群と言って白血病に近い造血異常の疾患だったりしますから、本当に腎性貧血かどうかの見極めをしないとエリスロポエチンは使えません。

    今日は、診療のあとWEB講演会で腎性貧血の勉強をしました。なんとこの度新規で内服の増血剤が発売されたのです。データによると従来のエリスロポエチン注射と遜色ない効果が得られているそうです。注射しないでいいのは患者さんにとってはありがたいことです。何より、簡単に治療できることで貧血が改善すれば体も軽くなり元気が出ますから朗報です。

    苔むした山小屋

  • 夜間頻尿の新薬について

    漢方を専門にしていると、多科にわたる相談が来ます。冬に多いのは夜間頻尿です。一晩に3回以上トイレに起きるのは病的と捉えます。睡眠が分断されて日中だるくなるし、夜間ボーとしてトイレに行くことで転倒や骨折の危険もあります。今日は診療のあとに泌尿器科の先生を中心とする夜間頻尿の勉強会がありました。わたしも、ZOOMで参加しました。当院では漢方や従来の頻尿治療薬で治療しているのですが、難治のケースは多々あります。最近、勉強会のテーマであった抗利尿ホルモン「デスモプレシン」を利用した頻尿治療薬がでてきました。当院でも数例使っていますが、なかには劇的に頻尿が改善する例があります。一人は、夜間6回トイレに起きていたのがほぼ1回で良くなった、よく眠れて体調がいいと言われています。

    水分代謝を直接変化させる薬なので効果は間違いありませんが、心不全や低ナトリウムなどの注意が必要で、慣れないと使うのが難しい印象の薬です。しかし、とてもよく効くので、しっかり勉強して、注意しながら患者さんの生活の質を上げるためにうまく使っていきたいと思いました。

    ZOOMのおかげで、家にいながらにして毎日高度に専門的な勉強ができます。ありがたいことです。オンラインセミナーは一時期WebEXやTeamsなど乱立していましたが、最近はほぼZOOMに絞られてきました。私も毎日2回はZOOMでの会議やオンラインセミナーに参加しています。今日の泌尿器科のセミナーでも、参加者の先生たちがまだZOOMに慣れておらず、音声ミュートや画像のオンオフなどの操作がわからない人だらけで驚きました。せめてZOOMだけはきちんと使えるようになりましょう。ZOOMの使い方がわからないなんて、スマホを持っているけど検索できないのと同じくらい時代についていっていません。

    ホリエモンも言っていますが、スマホ1つあれば会社を起こしてほとんどの仕事をこなせる。それだけスマホの能力は高いのですが、大切なのは、常に新しくてスペックの高いスマホを使うこと、そしてそれを十分使いこなす努力をすることです。決まりきった検索とかLINEとかゲームだけしていてはもったいないです。今やスマホでは指紋認証で銀行振込みや株の売買などもできます。AIを使った多言語翻訳も可能です。カメラもへたな一眼レフよりきれいです。私たちの頭脳や手足の能力をカバーしてくれる魔法の神器です。

    南阿蘇 ホテル夢しずくの展望ロビーの窓からの景色 日帰り温泉600円です

  • 飛躍の前には膝を曲げてかがむもの

    昼に往診にでかけたら道がガラガラでした。人通りが驚くほど少なくなっています。みんな在宅ワークなのでしょうか?クリニックに来る患者さんも少なめで、のんびりした一日でした。こういうときこそ、大掃除をしたり勉強をしたりするチャンスです。掃除は年末にして間もないので、あまりするところもありません。ダラダラとネットサーフィンなんてしていては時間の無駄。いつも休みなく走っているので、今回は神様にもらった小休止と思って有意義に使いたいものです。私は、新しい本を読もうと思ってアマゾンで2冊注文しました。明日には届くので、楽しみです。

    苦難のときに立ち止まるのは悪いことではありません。それは、ジャンプするときにいったん膝を曲げてかがむのと同じです。次のジャンプをする際に膝を伸ばしっぱなしでは大きく飛べません。しっかりかがむことで準備が整います。今コロナ禍で仕事が小休止になるのは次へ大きく躍進するためにもらった準備期間です。ボーとしていないで、いつ飛ぶか、どっちに向かって飛ぶか、タイミングや戦略を練る必要があります。勉強をするのもよし、スタッフミーティングなどでみんなの気持ちを一つにするのも良いでしょう。

    保健所からは、新型コロナワクチンの一般人への接種をどのようにすすめるかの方針について説明会をするから参加するようにと連絡が来ました。もちろんオンライン説明会です。今回はRNAワクチンという人類始まって以来初めての特殊なワクチンです。RNAは不安定で壊れやすい性質があります。したがって、マイナス70度という超低温で輸送、保管しないと品質が保てません。もし、壊れた遺伝子を人体に入れるとどうなるか、誰にもわかりません。取り扱いには厳重な注意が必要となります。

    苔むした石段

  • スロージョギングのすすめ

    例年だと、2月に熊本城マラソンがあるので今頃は歩道をランニングする人をたくさん見かけるのですが、今年は少ないです。コアなマラソン・オタクみたいな人しか走っていません。箱根駅伝もそうですが、冬はランニングのシーズンです。夏は暑すぎて死にそうになるので通常はオフです。オリンピックで真夏にフルマラソンなんて、過酷すぎて選手がかわいそうです。まあ、それはともかくとして、今の時期はランニングするのにぴったりです。あまり汗をかきませんから、快適に走れます。

    私は、開業するまで毎年のようにマラソン大会に出場し、フルマラソンを走っていました。そのためには毎日10キロから15キロの練習を欠かしませんでした。しかし、クリニックを開業した途端、忙しくて走る暇がなくなってしまいました。また、走っていて膝や腰などを故障してしまうと、医師一人で開業している手前、仕事を誰にも変わってもらえないので、無理なことは絶対しないことを自分の中でルールとしました。それ以来、走るのをやめてしまいました。

    それでも、今日のように冬とはいえ暖かく快適な日は小走りしたくなります。家に帰って、うちのゴン(トイプードル)を連れてゆっくり走りながら散歩しました。いわゆるスロージョギングです。私は歩けばだいたい1キロ10分ですが、スロージョギングは歩くくらいのスピードで走ることが大切です。キロ10分で、会話でも楽しみながら走れるくらいゆっくりペースで走ります。スロージョギングは同じスピードで歩くより全身運動になるし、骨に重力(G)がかかるので骨粗鬆症の予防になります。そして、ゆっくりだと膝や腰への負担も少ない。いいことづくめのスロージョギング、やってみませんか。

    久木野にある三菱の研修所 お城みたい