むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • お釣りの準備

    医療をするとき、なんとなくだけれどもお金から最も遠いイメージがある。昔赤ひげという人情で人助けをした医者がいて、困った人、お金のない人からはお金を取らない。それが美徳とされた。しかし、資本主義社会の今、それが美徳とばかりは言っていられない。なぜなら、クリニックを建設するのに何億もかかり、これから20年以上にわたってこの借金を返さないといけないからだ。自分のためというより、銀行に返済するために働くようなものだと、みんなが口をそろえる。そんな状況でなぜみんな開業するのか。それは、たとえ借金の城でも一国一城の主であり、医局や大病院の組織に属していてはなかなか実現できない自由がそこにはあるからだ。使いたい薬はすぐに使えるし、買いたい医療機器は自分の裁量で買うことができる。それが楽しい。

    だが、楽しいと言っていられるのは、毎月の返済のめどが立っている時だけだ。返済できないと、従業員にも給料が払えず、薬の仕入れにも影響する。そこで、赤ひげ的な医業はとても難しいと思う。

    そんな中、自分でクリニックというビジネスを始めるにあたり、初めて自分の仕事に対してお金が動くところを目の当たりにする。そればかりか、患者さんにいただくお金に対して、十分なお釣りを準備しておかないといけない。恥ずかしながら、お釣り(小銭)はどうしたら準備できるのか知らなかった私は、銀行に行って、かくかくしかじかでお釣りを準備したいのだが、やり方を教えてくださいと問うた。すると、両替機というのがATMの横にあるので、ATMカードを使って両替できます、と説明を聞いた。しかも、カードで口座から下ろすのではなく、あくまで両替なので、現金を入れないといけないらしい。それから、手数料のことなどいろいろ詳細にわたり聞いて、毎日少しずつ両替しておけばいいんだな、と理解した。みなさんご存知でしたか?

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    ロビーの大きな胡蝶蘭は桜十字病院の西川理事長からいただきました。ありがとうございます。