むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 鍼灸勉強会2

    先週に引き続き、鍼灸勉強会を行った。四国から来られている鍼灸師兼薬剤師さんと私で先週と同じ患者さんを診て針治療を行った。四国の先生は彼独自の理論と経験で丁寧にツボを探り、針で刺激し治療する。私は私の理論でツボを決め、そこに針を打つ。不思議なことに、同じ患者さんの同じ症状を見ても使うツボは異なっている。

    どっちがすごいかを競うわけでなく、お互いの技術を披露し、刺激を受け、さらに勉強する。そういう会だ。鍼灸の世界は漢方のように2,000年以上昔から理論も技術も今に伝えられている。しかし、おそらく日本が鎖国していた江戸時代には日本独特の発展を遂げ、現代の中国バリと日本の鍼(はり)ではだいぶ異なってきていると思う。特に日本の場合、武道や茶道のように針道とでもいうべき世界になっており、師匠に弟子入りして初めて秘伝の技を伝授される、門外不出の方法といった世界だと思う。門外不出だから、他流試合などはあまり行わずに、自分のやり方を師匠から弟子へ、親から子へと、職業としての閉ざされた世界で密かに伝えられてきたのではないか。

    今の世はそんな世界ではなく、良いものは論文にして学会発表する。中国などは特許やISOなど世界標準を狙った政策を国を挙げてとっており、日本などとても太刀打ちできない。こんな勢いでは、東洋医学を使うなら中国に特許料を払えとか、漢字を使うなら金を払えとか言われそうだ。

    そんな面倒なことは国や厚労省に任せて私たちにできることは腕を磨き、一人でも多くの患者さんの痛みや悩みを取ってあげることだ。

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    写真は緑川ダム。梅雨の長雨で水が濁っていますが、青く晴れた空と紫陽花が綺麗です。