むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 相手のニーズを聞き出す

    青木毅の質問型営業という本があります。PODキャストでも聞くことができます。私はこの人の営業スタイルが大好きで、何度もなんども聞きました。物を売るときに、従来の営業の人は、いかにその商品が優れているかをひたすら説明する、いわば「説明型営業」です。ガッツと根性と度胸だけでやってきた旧来型の営業方法です。一方、質問型営業というのは、自分の商品の説明はしません。相手のニーズを聞き出すことに専念するのです。相手が今どんなことに困っているのか、どういう風に解決したいのか、あれこれ聞いているうちに最適な解決方法が見つかります。そこに自分の商品がジャストフィットするなら、あとは売り込むのに大した説明はいりません。

    病院にはMRさんと言って製薬メーカーの営業の人たちが新薬の売り込みに来ます。本当は新薬の売り込みだけでなく、その会社の過去に発売した全ての薬品に関して適切な安全情報などを提供するのが仕事ですが、もっぱら新薬の宣伝をして帰ります。ほとんど何の役にも立ちません。こちらのニーズを聞かずに宣伝だけして帰るからです。こちらの時間を無駄に消費する時間泥棒です。

    私たちクリニックの仕事も、説明より聞き出す質問力の方が大事だと思います。例えば頭が痛いと言って来院されても、単に頭痛薬が欲しい人もいれば、脳梗塞の心配をしている人もいます。どんな気持ちで来院されたかを十分に聞けずに診察すると、診療の方向性もニーズにマッチしません。忙しいとなかなか十分な話を聞けないのですが、できるだけしっかり聴きたいと思っています。それでも情報を聴き足りないかもしれないと思い、今週から問診を得意とする看護師さんに新しく入ってもらいました。私に直接話しにくいこともあるかもしれませんので、問診で遠慮なくお話しください。