むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 医療センターの当番

    昨日の休日当番医に引き続き、今日は午後の2時から夜10時までの8時間にわたり、地域医療センター(医師会病院)の救急外来の当番でした。来る患者さん来る患者さん、ほとんどインフルエンザの検査をします。こっちは何十人も見ていて、この人はインフルエンザらしいとか、違うっぽいなとか、見ただけで大体分かるのですが、患者さんはこちらの見たてでは納得しません。どうしても検査をして欲しがります。インフルエンザの検査は陽性か陰性かのどちらかだと思っている人が多いと思いますが、陰性の結果が出ても実際はインフルエンザの場合があります。偽陰性と言います。たいていは熱が出てから検査までの時間が早すぎる時に偽陰性となります。インフルエンザが確実な患者さんを100人検査すれば30人くらいは偽陰性になる(つまり感度が70%前後)ということがわかっていますから、検査結果を信じて自分はインフルエンザでなかったと思う方が危険です。そういう人を翌日検査すればプラスに出るかもしれないのです。

    しかし、検査の回数は保険でしばりがありますので、何度もするわけにはいきません。最高で月に2回までです。ですから、あまり熱が出たからといって慌てて来院して検査しても、正しい結果が得られないかもしれません。出来る事なら半日くらいは様子を見てから来院いただいた方が正確に判定できます。

    それより何より、検査は実際には必須ではないと思うのです。私たちが救急外来で何十人も同じ症状の人を見ていると、検査しなくてもだいたいわかります。昔インフルエンザの事を流感(流行性感冒)と言っていたように、はやりの風邪にかかればみんなインフルエンザのつもりでいた方がいいのです。その方が大事をとって出勤や出校をしませんから、下手に検査して陰性だったから大丈夫と言って仕事や学校に出るよりいいのです。