むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 薬を選ぶこと

    夜に激しい雨が降っていましたが、朝から間も無く雨は上がりました。やはり雨が降ると外来患者さんの出足は鈍く、のんびりした朝でした。そうこうしているうちに、だんだん待合が混んできて、昼前くらいには結構慌ただしくなってきました。

    遠く阿蘇の方から来院いただいた患者さんが何人もいました。阿蘇の方はこれからの季節、道が凍結して出て来られない場合もあるし、あまり頻繁に来てもらうわけにもいかないので、処方する薬の種類や量などやはり近所の人より慎重になります。あまり軽い薬だと治らないかもしれないし、強い薬だと副作用で飲めないかもしれません。私の外来では、新患の患者さんには特に気を使います。早く治るようによく効く薬をドンと使いたい気持ちと、副作用で飲めなかったらどうしようという気持ちがあります。そうすると、最初から長期の処方はできるだけ避けて、できたら1週間くらいで再来してもらい、薬が飲めているか、効いているか、副作用はないかなど見せて欲しいと思っています。

    特に漢方薬は同じ薬を何年も飲むイメージかと思いますが、実際には違います。風邪などだと、初日、翌日、三日目では使う処方は違ってきます。しかし、患者さんに風邪で毎日来院してもらうわけにもいかないので、時間をかけて直すか、一気に短期間で勝負するかを診察中に決めて処方の方針を立てます。もちろん短期で勝負するのにはリスクもありますから、滅多にそのような処方はしませんし、近所で何か不都合があったらすぐにでも来てくれる患者さんでないと難しいと思います。明日から出張だから今日中に直して欲しい、というのが一番難しいです。効く薬をどんと強めに出すと、治ればいいのですが不都合があれば出張先で困ることになります。そういうことにならないように、やはりこういう場合こそ賭けに出るような処方をせず、無難に行くことになります。

    心療内科でも同じです。ストレスなどで体調を壊して来院されると、一日でも早く元気になってもらいたいと思います。そうすると、つい即効性を期待していろんな薬をたくさん使って直したい衝動にかられます。しかし、良かれと思って強めに出した薬が副作用で飲めないと言われるのは、弱すぎてあまり効かないこと以上に悪いことだと日々反省しながら慎重に処方している次第です。