むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • アロマセラピー

    統合医療学会に行ってきました。今回のテーマはアロマでした。アロマは知っているし、自分でも精油をいくつか持っていて、適当に楽しんでいましたが、学問としてのアロマは全然知りませんでした。医学としてアロマを研究しているアロマセラピー学会や専門誌などもあるそうです。

    そういう中で、興味を持ったのが、嗅覚異常は認知症の早期発見につながるという話です。鼻にある匂いを感じる神経は脳に直結しています。なかでも嗅覚は最も原始的な感覚で、食べられるものかどうか、いいものか悪いものかというのを嗅ぎ分けることが太古から必要とされていたものです。記憶に関与する海馬という脳と密接に関わっているそうです。そこで、アルツハイマーなど脳の海馬が萎縮する病気は同時に嗅覚低下とも関連しているそうなのです。面白いのは、そういう脳の障害を嗅覚刺激で治療できるという話です。

    精神科ではモノアミン仮説というのがあり、脳の中のセロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンが不安、やる気、満足などと関連していると考えられていますが、アロマの香り刺激でドーパミンを増やすもの、セロトニンを増やすもの、といったデータがあるそうです。そうすると、香りを選ぶことで不安ややる気の治療ができるわけです。認知機能もラベンダーやティーツリーの香りで改善するというデータでした。面白かったので、もう少し勉強してみようかと思います。

    桜十字病院の駐車場にある薬局です。