むらかみ内科クリニック

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  • 雨に濡れると風邪をひく

    雨に濡れると風邪をひくと、昔から言われていますが、西洋医学のテキストにそんなことはどこにも書いてありません。免疫学者が、雨に濡れると体温が下がって免疫力が落ちつからだとか、そんな説明しますが、わかったようでわからない。一方、漢方では、それは理論的に説明されています。

    体の表面には外邪(外からのウイルスをはじめとする体にとって害のあるもの)から身を守るための気が巡っており、それを衛気(えき)と呼びます。雨に濡れることで衛気が損傷され、そのバリアの敗れた部分から外邪が侵入すると考えるわけです。

    衛気の力は通常自分の体の体力(気のエネルギー量)に関連します。気は食べたものと、吸っている空気からできると考えられているので、きちんとした栄養を取らないといけません。インスタント食品や、バランスの極端に悪い食生活では免疫力を落とします。また、大気汚染がひどいと吸った空気からきちんと気が作られないため、病弱になります。

    そして、こういった食べ物を消化吸収する胃腸や、吸った空気を取り込む肺の機能がしっかりしていないといけません。

    風邪かなと思ったら葛根湯ですが、葛根湯に含まれる麻黄、桂枝(シナモン)の組み合わせで衛気を高めます。生姜、大棗(ナツメ)で胃腸を整えます。理屈があっているのがお分かり頂けると思います。

    病院で葛根湯をもらうと、3日分や5日分として処方されると思いますが、実際には葛根湯が効くのは最初の1日だけです。3日も経って飲んでも効きません。そういう時には、他の処方を使います。つまり、葛根湯を飲めるタイミングはごくごく限られており、あらかじめ常備しておかないと間に合わないということです。もし、前にもらった葛根湯が手元にあれば、ラッキーです。持っていない人は、今度処方されたうちの2日分くらいは次回のためにとっておくといいでしょう。市販されている葛根湯もありますから、葛根湯はとにかく早めに使いましょう。

    今日は大雨の中、藤崎宮の例大祭や高校の体育祭などがありました。皆さん風邪をひかないように注意しましょう。とりあえず冷えた体は温かいお風呂で温めましょう。シャワーだけではダメですよ。

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