むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 漢方の威力

    長年病院にかかっていても治らない症状というものがあります。採血をしてもMRIをとっても原因がはっきりせず、精神的なものかも知れないと言われてたらい回しにされる、そんな患者さんが漢方外来にくることもしばしばです。

    先日来た患者さん。5年前から背中が焼けるように熱くて痛い。首も肩も痛い。腰も痛い。整形外科ではレントゲンなど異常なかった。内科に行っても治らなかった。うちの外来に来たので、まずは神経内科の先生に診てもらったが、特に異常は見られないということで、抗うつ剤が処方となったが、全く改善しなかった。そして先週、ついに私の漢方外来にたどり着いた。

    話を聞き、脈を診て舌を見て、寒熱虚実の漢方的な診断をして必要な生薬を思い浮かべる。それを総合して処方を組み立てる。まずは1週間これを飲んでみてください、と漢方薬(エキス顆粒)を渡しました。

    今日、その患者さんが再来されました。にこやかだ。先生、あの薬を飲んだら、5年間悩んだ背中の焼けるような痛みとか、すっかりよくなりました。嬉しい瞬間です。もうしばらく同じ薬を飲んでくださいね、と再度処方しました。漢方外来では、こういう症例をしばしば経験します。

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    別の患者さんの話。89歳男性。小学生の頃(10歳頃か?)蓄膿になって、それ以来約80年間慢性鼻炎と蓄膿に困っているそうです。漢方希望で来院。話を聞いて、寒熱虚実をはっきりさせてから、漢方薬2週間分の処方をしました。すると、副鼻腔炎はすっかり調子良いとのこと。80年来の症状も簡単に取れました。こんなことってあるんですね、漢方、すごいぞ!