むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 春が来た

    温かい週末です。陽射しは春そのものです。ちょっとしたおやつを持って近くの公園のベンチなんかに座ってみましょう。眩しい日差しを浴びると、体も反応します。目から入った光刺激で脳内のセロトニンが増えてきます。セロトニンが増えると気分が安定します。朝から気分が沈んで会社に行こうとすると体が重くてきつい、という場合、まずはカーテンをしっかり開けて部屋を明るくすることです。朝日を浴びることが治療につながります。

    また、朝の光をしっかり目に入れることで体内時計がきちんと作動します。睡眠にはメラトニンというホルモンが関係しているのですが、朝日を浴びるとメラトニンが止まります。そこから14-16時間後に再びメラトニンが出始めるということがわかっているので、昼まで寝てしまうとその日の夜再びメラトニンが分泌されて眠くなる時間が遅くなってしまい、だんだん昼夜逆転してしまいます。学生さんで朝起きられないので学校に遅刻してしまうという相談がありますが、まずは朝日を浴びましょう。起きられなくても家族がカーテンを開けて電気をつけて部屋を明るくしてあげましょう。また、夜遅くまでスマホやテレビなどで目に光刺激を入れると眠りが悪くなります。

    一方、お年寄りの認知症は春になると悪化することがしばしばあります。大声を出したり、イライラしたり、やたら陽気に一日中うたを歌ったり。私たちはそういう認知症の患者さんを見ると「春が来た」と感じるほどです。これは春の陽気と精神的な陽が増すことと関連しています。抑肝散という漢方を使うとこのような困った症状が抑えられます。