むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 更年期障害は漢方で

    更年期障害は、本当に辛いものです。多くの女性が経験します。50歳前後が多いのですが、急に体が熱くなってほてり、汗が吹き出したりします。他にも、頭痛やイライラ、気分が沈んだり、動悸やめまいなど多彩な症状が出ます。産婦人科に行けば、先生も慣れているので更年期障害と診断されることでしょうが、めまいで耳鼻科へ行ったり、動悸で循環器内科を受診しても検査ばかりで正しい診断には至らないかもしれません。当院では、更年期を疑った場合、エストロゲン(女性ホルモン)と卵胞刺激ホルモン(FSH)を測定して、更年期かどうかを判断します。

    産婦人科でも採血や子宮ガン検診のような検査をされることと思いますが、更年期障害の治療は結構難しいものです。婦人科でもたいてい漢方治療をされます。市販薬では命の母というのが有名ですが、病院での処方では加味逍遙散や桂枝茯苓丸といった処方がよく使われます。しかし、そういう通常使う処方でも改善しない場合、私のクリニックのように漢方専門で、しかも心療内科も標榜しているところに紹介されてきます。他院で何年も治療して治らなかったというツワモノ患者さんが次々と来られます。

    そういう場合も、漢方専門医の立場で考えると、病名処方とは違ってその人にあった処方が可能だし、漢方だけでは力不足の場合は心療内科的なアプローチも組み合わせてなんとかいい方向に持ち込みます。先日は体がほてって何年もお風呂に入れずシャワーで済ませていたという患者さんの漢方治療が奏功し、久しぶりに湯船に浸かることができたと喜ばれました。それを聞いたこちらも嬉しくなりました。