むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • 効かせる漢方

    「効かせる漢方研究会」という勉強会があり、先日私も講師として講演しました。季節がら、風邪の治療をテーマに話をしました。漢方の勉強というのは私の学生時代には大学では習うことはありませんでした。私の場合、研修医になってすぐ御船の牟田先生の門下生となり、勉強しました。しかし、最近は大学で学生に漢方の授業もあり、製薬メーカーや学会主催の勉強会もたくさんあります。これだけ機会があれば、自然と漢方に対する知識は増えていくことと思います。

    しかし、実際に漢方を使ってみると、知識と実践はギャップがあってどう使ったらうまくいくのかがよくわからないと思います。なかなか実地で漢方のコツを教えてくれる先生が身近にいることはないので、試行錯誤になります。そこで今回は漢方の理論を踏まえた上で、いかに漢方を<効かせる>かをポイントに話を構成しました。例えば、風邪にに葛根湯を使おうと思っても、うまく効かせるにはコツがあります。

    ここで、皆さんにポイントだけお教えしますが、葛根湯は風邪の初期にしか使いません。せいぜい三日以内です。さむけのする場合が適応で、さむけがなかったり、体がほてっている場合は合いません。多くの場合、冬の風邪はインフルエンザも含めて葛根湯が使えると思います。飲むときは暖かいお湯にとかして飲みます。まず2袋を飲んで、しばらく様子を見て、体が温まればそれでいいですが、さむけが取れない場合もう一袋くらい飲んで暖かくして寝ます。薬を飲んでも、無理して働いていては薬も効きません。養生第一です。