むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 脂質異常と食事

    以前はコレステロールが高いと、揚げ物、から揚げなどを食べ過ぎないように、卵は一日1個まで、とか色々食事指導をしていました。おそらく、今でも特定健診などで積極的指導に引っかかると栄養士の食事指導などを受けるように勧められると思います。

    一方、アメリカ心臓病学会は、コレステロールの摂取制限をしても血中コレステロールが低下する証拠はなく、制限を設けないと言っています。例えば、卵を食べた人と厳密に制限した人を比較しても、コレステロール値に差がないということです。なぜなら、コレステロールは食べ物から入ってくる量と、肝臓で合成される量を比べると合成される方が多く、入ってくる量を制限しても効果が薄いというわけです。

    実際には、コレステロールだけでなく中性脂肪や血糖など全体が関連して心疾患や脳梗塞は増加します。コレステロールだけにとらわれず、食事全体のカロリー制限、バランス、糖質、脂肪酸の摂取制限などが必要です。注意が必要なのが、清涼飲料水に含まれる人工甘味料の果糖ブドウ糖液糖です。甘いのに血糖が上がらないのはいいのですが、肝臓で分解されるときに中性脂肪ができます。つまり、油を摂取していないのに中性脂肪が上がってしまうという落とし穴があるのです。