むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • 高血圧は放置しないこと

    訪問看護ステーションを経営している友人がクリニックに来て、話を聞きました。彼が仕事を任せている40歳前半の男性が、脳出血になったそうです。命に別条はなく、保存的に経過を見る(手術はしないという意味)とのことで、幸いだったのですが、この若さで体に麻痺が残ったりすると、この先大変です。その人も、血圧が高いのを放置していたのが脳出血を起こした原因です。仕事が忙しかったのかもしれないし、若いから大丈夫とたかをくくっていたのかもしれません。しかし、こんなこともあるということを知ってほしいと思います。

    時に、高血圧があるのはわかっているが、血圧の薬を飲みたくないと頑なに断る人がいます。理由を聞くと、一度飲み始めたら一生飲まないといけないと聞いたから、と言われます。確かに、一度飲み始めた薬を止められる確率は10分の1もないと思います。しかし、一生薬を飲んだとしても、脳出血など起こさず、半身麻痺にならずに済めば人生はずいぶん違います。豊かで幸せな老後を迎えるためにはそれなりに準備と投資が必要です。老後を楽しむお金も大切かもしれませんが、なんといっても健康第一です。その健康は、血圧管理、血糖やコレステロールの管理で手に入れることができるのです。脳卒中と心筋梗塞を予防できれば、死因の半分以上をカバーします。

    血圧やコレステロールの薬を飲み始めても、止めることは可能です。そのためには食事療法と運動療法を徹底することです。太っていれば、まず痩せることです。そういった努力をしても数値が良くない場合は、あれこれ思い悩まず、潔く諦めて薬を飲んだ方がいいと思います。最近の薬は副作用が少なく、長く飲んで有害事象が起こることは稀です。週刊誌などに脅かされて間違った選択をしないようにしましょう。