むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 鎮痛剤は体を冷やす

    頭痛や腰痛、生理痛などに鎮痛剤を使うことがあると思います。これら鎮痛剤を私たちは解熱・鎮痛剤と分類します。そうです。風邪などで熱が出た時に使う解熱剤と痛みがある時に使う鎮痛剤は同じものです。アスピリン、ロキソニン、ボルタレン、イブプロフェンなどのことです。解熱剤ということは、体を冷やす働きがあります。熱がない人が飲んでも体温はさほど変わるわけではありませんが、長期に使用すると、確実に体が冷えてきます。

    湿布も同じです。最近の湿布は、経皮吸収(皮膚を通して薬剤がしみてくる)タイプの鎮痛剤が多いので、冷やっとするだけでなく、患部に鎮痛剤がしみていくことで痛みをとりますが、結果、その部分は冷えてきます。炎症があれば、冷やすのは理にかなっていますが、冷やし過ぎは良くありません。例えば、生理痛などは下腹部が冷えた人が多いと思います。それなのに、鎮痛剤でさらに体を冷やすのはあまりよくありません。漢方では、芍薬甘草附子湯や当帰芍薬散加附子という処方があり、痛みをとりつつ温める働きがあります。私はできるだけそういう漢方痛み止めを処方します。

    最近私が知ったのは、うつの患者さんも温めてあげたほうがいいということです。心が沈んでいる人は温めてあげると不安が取れたり、眠れるようになったりするようです。私は漢方で温めるようにしています。逆にイライラが強い人には冷やす漢方を使います。更年期などで上半身がカッカとほてる場合もそうです。温めたり冷やしたりする漢方薬や食材で心がコントロールできるというのは面白いことですね。

    嘉島の田畑を潤す用水路。サントリーがビール工場を作るほどの名水が流れています。