むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 不整脈とアブレーション

    動悸がする時、不整脈なのか、ただドキドキするだけなのかは大きなポイントです。しかし、そのどちらかをはっきり区別するのは容易ではありません。最近、当院でも立て続けに動悸で来院され、運良く心電図が取れたおかげで診断が確定した症例がありました。一つは10年以上前から時々動悸発作に襲われ、ただしゃがみこむしかなかったという方。更年期でしょうか、と来院されたものの、運よく動悸発作時に取れた心電図から発作性上室性頻拍(PSVT)と診断されました。すぐに日赤を紹介し、カテーテルアブレーションという治療で根治できました。これで、10年来悩んでいた動悸発作とはさよならです。

    もう一例は、繰り返し動悸発作が起こり、何度心電図をとっても不整脈が捕まらず、24時間心電図(ホルター心電図)でも異常ありませんでした。そのため、心因性かもしれないと思って抗不安薬などを使って経過を見ていたところ、ついに動悸の原因が発作性心房細動だとわかった例がありました。こちらも、日赤でアブレーションしてもらって、今は不整脈は出なくなっています。

    このように、動悸発作は発作性心房細動をはじめとする心臓に由来する不整脈である場合とストレスなどが原因の心因性のものがあるのです。発作時間が短いと、来院しているうちに不整脈は治りますから、まずは自分で脈を見て脈が速いか遅いか、飛んだりしないか、リズムは一定かバラバラか、といった点に気をつけて情報をとっていただきたいと思います。それがわかれば、証拠は取れていなくともかなりのところまで診断は絞られます。そして、不整脈と診断がついた場合、以前は薬でコントロールするしかなかったのですが、最近は症例によってはアブレーションという方法で根治できるかもしれません。