むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 打ち水

    真夏の暑さを少しでも快適にする方法として、日本では江戸時代頃に打ち水が始まったそうです。元々は神聖な水を玄関先にまくことで神様の通り道を清めるという意味合いがあり、茶道の文化でお客様の訪問に合わせておもてなしの心で打ち水をするようになったという話です。近年、自治体主催で打ち水大作戦なるものが年に1、2回あったりしますが、そんなものでは太刀打ちできないくらい暑いです。アスファルトは焼けているので、ちょっと打ち水してもまさに焼け石に水状態です。犬の散歩も気をつけないと犬が足を火傷します。

    京都の料亭などは夕方になると綺麗に掃除の行き届いた玄関先には打ち水がされます。ところが、中華料理やフレンチでは高級店でもそんな風習はなさそうなので、やはり日本独特の文化でしょう。水というと、最近は豪雨のニュースで怖いイメージばかりですが、本来は生きていく上で最も大切なものであり、命そのものです。医学部の1年生では生理学で水代謝の実習があり、グループに分かれてペットボトルの水、お茶、ラーメンの汁などを一定量飲んで、30分ごとにトイレで採尿して飲んだ水分がどのようなスピードで排泄されるかという実験をさせられました。ラーメンの汁は塩分が多いので、摂取した水分量の尿はいつまで待っても出ません。体に残るのです。これが血圧が上がる原因です。

    一方、発汗で脱水になった際に補給する水は塩分を含んでいないと体に残らないので、スポーツドリンクより塩分が濃いオーエスワンなどが有効です。また、熱中症で体温が上がってしまって倒れている人を見たら、とりあえず日陰などの涼しいところに連れて行って霧吹きなどで体を濡らし、うちわで扇いであげるといいそうです。まさに打ち水効果です。