むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • ASTR(アスター)という筋膜リリース法

    最近、テレビで筋膜リリースという治療法が話題になっています。特によく目にするのが、凝った肩の筋肉と筋肉の境目をエコーで確認しながら生理食塩水を局所注射して筋膜を剥がし、隙間を作ってやることで痛みを取るといった治療法です。

    私が筋膜リリースに着目したのは10年ほど前です。ただ、これは今はやりの超音波で生理食塩水を注入する方法や筋膜リリース用のマッサージ用具を使った治療ではありません。ASTR(アスター)というトリガーポイントを使った筋膜リリース法です。これは、主に鍼灸マッサージ師さんたちが勉強する施術法の一つです。以前教科書を買ってやり方をマスターしたのですが、なかなか実践で試したことはありませんでした。

    しかし、最近の筋膜リリースのブームを見て、ASTRを再度勉強し直しました。この施術法の優れているのは注射や超音波などを使わず、患者さんの手足の痛いところを探って、関節を曲げたり伸ばしたりしながら治療します。全く道具がいりません。その代わりちょっとしたコツがあるので、施術の訓練が必要です。私は日頃患者さんの手足を触ってツボを押したりして治療していますので、これを応用するとあまり難しくないと思っています。もうしばらく研究して、実際に外来でもやってみようと思います。患者さんにとっては、医者に痛いところを触ってもらっただけで治ったような錯覚があるかもしれませんが、ここには隠されたテクニックがあることをちょっとだけ知っていただけたらと思います。