むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 電池切れのような症状を治す

    夕方になると電池が切れたように疲れて動けなくなる、という人がいます。皆さんもそういう経験はありませんか。そんな時、朝になればまた元気になるからと病院にもかからず、仕事から帰ったらばったり寝てしまう、そんな生活をしていませんか。男性なら元気づけにお酒を飲む、女性なら疲れを取るためにスイーツに走る、ということも多いかもしれません。しかし、このようなお酒やスイーツは一時的に疲れが取れたように見えても根本的にはあまり変わりありません。

    電池が切れたように疲れる原因は、慢性病が隠れている場合もありますが、仕事のストレス、長時間労働、飲み会などが続いて胃腸が疲れている、逆に栄養が足りていないなど色々考えられます。漢方では、このような症状を「気虚」と呼びます。「気」の不足という意味です。「気」が不足すると疲れやすいだけでなく、食欲低下、冷え、風邪をひきやすい、などの症状も見られます。

    このような「気虚」の症状が出たら、「補気剤」が有効です。漢方生薬で言えば、朝鮮人参が有名です。人参は高価ですので、保険外で買おうとするとなかなか長続きしません。しかし、幸いわが国では、国民皆保険のおかげで医療費は1−3割負担ですみます。実際には人参だけを処方するわけでなく、人参を含んだ処方を用います。その方が、少ない人参で気を補いつつ、他の生薬の力も借りて疲れを取ります。補中益気湯や十全大補湯というのが代表的な処方となります。もちろんこういった処方は保険の適応です。