むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 薬はいつまで飲むのか

    日曜の午後は下通りで医療相談のボランティアに参加しました。わざわざ会いにきていただいた皆さん、ありがとうございます。初参加だったので、医療相談コーナーで、皆さんはどんなことを聞いてくるのだろうと思っていました。終わってみて振り返ると、今飲んでいる薬をいつまで飲む必要があるのか、という感じの質問が多かった気がします。つまり、いつもお世話になっているかかりつけの先生がいるけど、その治療はいつまで続くのか、通院は終わらないのか、なかなか聞けない質問だと思います。

    実際、この質問に答えるのは難しいです。なぜなら、薬をいつまで飲むかは一概に返事できる内容でないからです。薬を使うということは、その薬を使うことで得られるメリットと、副作用などのデメリットとのバランスを考えて、メリットがデメリットを上回ると判断されてこそ意味があるのです。しかし、例えばコレステロールの薬をいつまで飲んだほうがいいかといえば、かなり個別対応の回答となります。その人の年齢、タバコを吸うのか、血圧は高くないのか、糖尿病はないのか、脳梗塞の既往がないかといった情報を集めて、やっとコレステロールを下げたほうがいいか、そのまま様子を見てもいいのかという判断ができるのです。

    週刊誌を見ると、コレステロールの薬は飲むべきではないと書かれていたりしますが、それは一部の人にとっての話で、みんなに当てはまるわけではないのです。タバコを吸う人、血圧や血糖が高い人などには服用のメリットがあります。ただ、80歳を超えるような人の場合、だんだんメリットが薄れてきてデメリットが増えていきます。そこで、今まで飲んでいた薬をやめてもいいという判断もあります。このように治療するかしないかは個別でしか判断できず、みんなに一概に言えるものはないということをご理解いただきたいと思います。