むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 夏かぜに葛根湯は使わない

    まだ5月ですが、季節的にはもう夏といってもいいほどです。昼の日差しは危険を感じるほどです。運動会の練習をしている子供さんたちの健康が心配です。こんな暑い毎日ですが、朝夕は結構涼しくなり、1日の温度差が大きいのも事実です。そうすると、外来には風邪症状で受診される人が結構増えています。特に38度から39度の高熱を出した人が多く、本当にきつそうです。

    この、発熱患者さんたちですが、原因はいろいろです。今日一例目は胃腸炎。高熱と下痢です。家族内で似た症状だと、下痢や嘔吐がなくても少し胃がムカムカするだけでもうつった可能性ありです。次に溶連菌感染。喉が腫れていたんでいる子供さんです。次にインフルエンザ。今はだいぶ減っていますが、今日見たのはB型でした。まだ出ています。そして、もう一例がおたふく風邪。小学生でした。耳の下から顎にかけて大きく腫れて触ると痛がります。熱も高かったです。

    このように、熱が出た=風邪とは限りませんから、やっぱり疑って検査することが大事ですね。それから、夏風邪には葛根湯はあまり効きません。風邪引いてゾクゾクした寒気を伴う時が葛根湯の出番なのですが、今頃の風邪では寒気が少ないです。そういう時には葛根湯以外の漢方を使うのですが、日本ではあまり扱っていませんので、私もほとんど処方しません。夏の風邪に葛根湯を飲むと体がさらに温められ、ただでさえ高熱でうなされているのにもっときついことになります。

    昨日と同じ麦畑。絞りの条件を変えて撮影