むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • うつは心の風邪

    当院では、内科と心療内科を分けることはしていません。ドキドキするという訴えでも、心療内科かもしれないし、不整脈かもしれません。これを心療内科として扱うと、内科的疾患が隠れていても見逃してしまいます。先入観のバイアスがかかるからです。まずは、体の問題と心の問題を広く疑ってチェックします。

    当院の扱う心療内科の患者さんで多いのは原因がわかっているうつです。職場や家庭のストレスが原因となっていることが多いようです。大抵は特定の人物が何らかの原因となっており、その人とのトラブルがなければストレスはないんだけど、と言われます。このような場合、転職や離婚で解決するのかもしれませんが、うつ状態では深い思慮ができないため、そういう状況では重要な決定をしないことをお勧めします。このようなうつ状態はしばらく薬を使いながら休養するとぐんと良くなることが多いので、転職や離婚は体調が良くなってから考えたらいいと思います。

    幸い、このところの求人倍率は高く、転職しようと思ったらなんとかなるご時世です。今、いろいろ悩んでいる人にとってはラッキーかもしれません。ただ、転職を考えても面接で暗い顔をしていてはうまくいきませんから、笑顔が出るくらいまで回復してから活動したほうがいいと思います。自力で何とかしたいと思ってもそれが難しいのです。こういう時は、一時的に薬を使っていいと思います。アメリカなどはうつは「心の風邪」みたいな認識で気軽に相談できる精神科のかかりつけを持っていると言われます。日本もそんな時代になってきたようです。