むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 気血水の話

    最近テレビで漢方関連の番組がいくつかあったのですが、それを見た患者さんが毎日のように来院されます。みなさん熱心にテレビを見て理解されていますので、すごく詳しくてびっくりします。

    漢方にも、日本で発達した古方という流派と、中国で発展した中医学の流派があります。またそれぞれ、どんな師匠について学んだかによって違う流派だったりします。茶道でいう表千家・裏千家のようなものです。診察の方法も、問診や脈診、舌診を重視する場合と、腹診(お腹を触って処方を決める)を重視する場合があります。流派ですからどちらが正しいというわけではありません。しかし、テレビでそういう診察風景をやっていると、それがスタンダードのような印象を受けますから、違った流派の診察を見ると違和感を覚えるかもしれません。

    ただし、流派は違っても漢方的な基本は共通しています。気血水という考え方は日本・中国で共通した理論です。体を構成する気血水という3つの要素があり、それぞれのバランスが健康を保っているのです。気が不足すると気虚といい、きつい、食欲がない、風邪をひきやすいなどの症状となります。気の量は十分あっても流れが悪くなるとのぼせ、カーと暑くなる、うつ状態、などの症状となります。例えば、倦怠感で来院した患者さんを見た時、気虚(気の不足)の場合と気滞(気の巡りが悪い)の場合とがあります。どちらの症状なのかを判断するのに脈を見たり舌を見たりするのです。決して西洋医学のように、血圧が高いから降圧剤、という感じの単純な図式にならないのが難しくもあり面白い点でもあります。