むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 手作りキムチ

    以前桜十字病院に勤務していた関係で、桜十字(再春館グループ)の手作りキムチをいただきました。毎年この時期に職員さんたちが協力してキムチを漬けるのです。例年おすそ分けをもらっていたのですが、毎年味が進化しています。今年はかなり気合いを入れて作ってあるように感じました。

    5−6年前はまだ素人がつけた味付けで、唐辛子風味の浅漬けみたいな味だったのですが、かなり本場の味に近づいてきました。私の勘ですが、今年のキムチには昆布をかなり増やしたのと、隠し味ににんにく醤油を使ったのではないかと思います(間違っていたらすいません)。本場のキムチには日本人があまり想像しないような魚介系の材料が入っています。オキアミ、たらの干物、イカ(するめ)、その他名前がわからない魚の塩辛などが入ります。これらがうま味となり、深い味わいを出します。

    だいぶ前にこのブログでうま味について書きましたが、復習でもう一度書くと、うま味成分には3つあり、グルタミン酸(昆布や白菜に多い)、イノシン酸(鰹節など魚貝系や肉類に多い)、グアニル酸(しいたけなど)です。そこで、白菜に昆布はグルタミン酸の重複で、それではあっさりした味わいになります。鰹節や魚介類を加えるとグルタミン酸+イノシン酸となりさらに味が広がります。

    自宅でキムチを漬けるときには、イカの塩辛やするめなどを韓国唐辛子と混ぜてペースト状にしたものを白菜の葉の間に入れてつけ込めばいいのですが、韓国の漢方の先生に習った簡単なキムチのつけ方には、ナンプラーを使うという手があります。ナンプラーは魚醤とも言いますが、魚やイカなどの塩漬けを材料にして発酵させた醤油です。タイではナンプラー、ベトナムではニョクマム、東北ではしょっつると呼びます。ものすごく魚介系の味が強いので、これを使えば他にだしはいらないくらいです。

    話を戻しますが、桜十字(再春館グループ)で例年つけているキムチが市販のキムチの味と異なるのはそういううま味の問題だけではありません。市販のものは、ものすごく添加物を入れてあるから、私たちはそれに慣れてしまっているのが問題なのです。市販のキムチのラベルを見てみてください。人工甘味料や化学調味料が大量に入っています。増粘剤やわけのわからない添加物がものすごいです。無添加のキムチは探すのがほとんど困難です。そういう意味では、桜十字のキムチは完全無添加だから、市販品のような味になっていないもののかなりいい味を出してきているのはすごいと思います。毎年キムチをつけてくれている職員さんたち、ありがとうございます。thumb_img_0782_1024