最近、コロナの患者さんはめっきり少なくなりました。一時期多かった手足口病や溶連菌も減少傾向にあります。一方で、秋は咳が出やすい季節で、風邪をきっかけに咳が長引く人が増えています。特に、マイコプラズマ感染を疑う患者さんも多く見られます。咳が長引く場合、咳喘息と呼ばれる症状が考えられ、これは気管支喘息ではないものの、喘息治療薬や吸入薬を使って治療することがよくあります。
また、マイコプラズマ感染が疑われる場合には、マクロライド系の抗生剤を使うことが一般的です。しかし、最近のマイコプラズマは薬剤耐性が増加しており、どのマクロライドでも効果があるわけではないようです。加えて、咳止めが品薄な状態が続いているため、当院ではほとんどの咳の患者さんに漢方薬の処方しています。私の経験では、西洋薬に引けを取らないか、それ以上の効果を期待できると思います。
このところ、毎週のように台風が接近しています。九州に上陸しなくても、敏感な人は天気頭痛と呼ばれる片頭痛を訴えることがあります。台風による頭痛は気圧の変化に敏感に反応して引き起こされるものです。片頭痛にはトリプタン系の薬が有効ですが、漢方薬の五苓散や呉茱萸湯も非常に効果的です。漢方の利点は、何度服用しても胃腸に負担が少ないこと、そして値段が安いため、経済的にも負担が少ない点です。
漢方薬をすでに2種類飲んでいる方から、「天気頭痛などで3つ目の漢方を飲んでもいいか」という質問をよく受けます。処方する際には「漢方は2つまで」というルールがあり、3剤の処方は原則できませんが、服用自体は可能です。ただし、複数の漢方薬を同時に飲むと、お腹の中で混ざってしまい、処方の意図や薬の方向性がわからなくなるリスクがあります。これにより効果が薄れる可能性もあるため、注意が必要です。どうしても3種類の漢方を使う必要がある場合は、食前、食後、食間、または寝る前など、服用のタイミングに時間差をつけることをお勧めします。
どんどこレストランにて。蕎麦と唐揚げのランチセット