むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • リーキーガットについて

    昨日はお腹が張るSIBOという病態について解説しました。今日は「リーキーガット」について書いてみようと思います。最近、患者さんからもこの症状について相談されることが増えてきましたが、まだあまり知られていない疾患です。リーキーガット、つまり「腸漏れ」とは、腸のバリア機能が低下して、本来なら吸収されないはずの有害な物質が体内に漏れ出してしまう状態のことです。これが原因で、さまざまな体調不良が引き起こされることがあります。

    まず、リーキーガットの症状は非常に多岐にわたります。よく見られるのが、お腹が張る、ガスが溜まる、食物アレルギー、便秘や下痢、慢性的疲労、肌のトラブル(湿疹やアトピー性皮膚炎)、不安感やうつ状態などの精神的な不調などです。こういった症状が慢性的に続いている場合、もしかしたらリーキーガットが原因かもしれません。

    リーキーガットの原因として考えられる要素はいくつかあります。グルテンやカゼインは、リーキーガットを引き起こす原因としてよく知られています。グルテンは小麦、ライ麦、大麦に含まれるたんぱく質で、パンやパスタ、ケーキなどに多く含まれています。グルテンに対して敏感な体質の方は、グルテンが腸のバリア機能を破壊しやすく、腸壁にダメージを与えることがあります。また、グルテンは消化しにくいため、未消化のまま腸内で炎症を引き起こすこともあります。カゼインは、牛乳や乳製品に含まれるたんぱく質で、乳製品アレルギーの原因物質の一つです。カゼインもまた、腸のバリアを破壊しやすい成分であり、腸漏れを引き起こす可能性があります。特に、グルテンとカゼインは消化が困難な場合が多く、腸にとって負担が大きい食品です。抗生物質やNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)などの長期使用は、腸内細菌のバランスを崩し、リーキーガットを引き起こすことがあります。

    リーキーガットを予防・改善するためには、どのような点に注意すればいいのでしょうか?まずは食事です。グルテンフリー、カゼインフリーの食事を取り入れることが有効です。グルテンを含む食品(パン、パスタなど)やカゼインを含む乳製品(牛乳、チーズなど)を控えることで、腸の負担を減らし、腸壁の修復を促すことが期待できます。発酵食品や食物繊維も腸内環境を整えるのに役立ちますが、SIBOのように発酵食品が逆効果になる場合もあるため、症状に応じて調整が必要です。

    下通り ベトナム料理「フォーリーコックス」にてエビの生春巻き