鹿児島の漢方勉強会「桜岳塾」というのがあります。コロナの影響でWEB開催となってはや数年、私は仕事が終わって自宅でご飯を食べながら参加できます。他にも日本全国からエキスパートの先生が集まっており、ちょっとした学会のようです。鹿児島から司会進行し、長崎大学の先生が講演をし、福岡の先生もそれにコメントし、とWEBならではの展開です。本当に便利な世の中になりました。勉強をする機会が格段に増えました。これまでは熊本に住んでいると一流の先生との接点はほとんどなく、東京である学会などに行かない限り著名な先生の顔も知りませんでしたが、今やパソコン越しに著名な専門家といとも簡単に接することができます。
今日の勉強会のテーマは、顎関節症と舌痛症でした。顎関節症は、従来は咬合不全(噛み合わせの悪さ)が原因とされてきましたが、ストレスなど心因性のものも多いとのこと。面白いのは、ご主人が定年退職してずっと家にいるようになると、奥さんがストレスで顎関節症や舌痛症になる例があるとのこと。ストレス、怖いですね。いや、定年して暇なお父さんも怖いですね。やっぱり、元気なら75歳くらいまでは給料は安くても再雇用などで外に出て働いたほうが良さそうです。
そもそも、定年が60歳となった1950年代の平均寿命は70歳前後でした。サザエさんの磯野波平は54歳です。あの頃60で定年するのは納得です。ところが今は90歳くらいまで生きますから、60で退職すると30年も残っています。働かずに貯蓄で生き延びるには長すぎます。
さて、それはともかく、顎関節症や舌痛症を治療するのは結構苦労します。病態を正確に把握し、いろんな方法で戦略を考えるのですが容易ではありません。漢方を使って劇的に治る事がある反面、同じ処方でも全然効かないこともあります。今後もさらなる経験、勉強、研究が必要だと感じています。