むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 漢方講義

    お知らせにも書いていますが、10月5日(水)の午前中は私が熊大の学生に漢方講座の講義をするため、臨時休診とさせていただきます。ご了承ください。

    今日は休日でしたが、その講義のためのスライド作りに1日かかりました。去年も一昨年も講義をしているので、同じスライドを使いまわしてもいいのですが、今回リニューアルすることにしました。

    私に与えられたテーマは、臨床における漢方の症例を紹介するということです。最近では、いろんな難病や難しい症例もたくさん来られますが、心因性の病(ストレス障害やパニック障害など)も漢方外来に来られます。きっかけを聞くと、熊本地震のあとから調子が悪いという人が結構おられます。動悸、めまい・ふらつき、不眠などが多いです。そこで、今回の漢方の講義ではそう言った地震のあとの体調不良を例にとって、その漢方による治療経験を解説することにしました。

    一つ例を挙げると、目(まぶた)がピクつくという患者さんが来られます。私の外来では珍しいことでなく、しょっちゅうそういう患者さんが来られるので、ほとんどの場合漢方で3−4日、長くても2週間以内に治せます。しかし、こういう症例を西洋医学で治そうとすると、かなり難しいと思います。漢方的には目のピクつきは肝に関連しますから、肝の気の巡りを調整すれば治ります。こういう訴えは本人にとっては深刻なのですが、はたからみると全然たいしたことないので、あまり相手にされないのです。それが治せるのは、漢方のすごいところだと思います。

    今日は山口から私が大学や国立病院時代に一緒に働いた友人が来熊してくれたので、食事に行きました。当時国立病院で受付・医療事務をしていたYさんも参加してくれました。10年ほど前の懐かしい話をしましたが、県外の人にはやはり地震体験談が話題になります。今となっては少し大げさに話題提供するのですが、私のクリニックにこられる患者さんたちにとっては、今でもそれが原因で体調を壊している人も多く、その影響の大きさや深刻さを痛感します。震災から5ヶ月経って、未だにそのことで悩んでいるようでしたら、何らかの治療をした方がいいと思います。一人で悩まずに相談してください。

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    おとといにもアップした嘉島の浮島神社です。雨でどんよりした写真ですね。