むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • 糖尿病治療の話

    昨夜の雨がうそのようにいい天気になりましたが、先週とは空気が入れ替わったように凛とした冷えこみとなりました。気温の変化が大きいと体がついていけずに体調不良となる場合があります。洋服をうまく調整して対策しましょう。春だからとおしゃれ優先で薄着していると風邪ひきますよ。

    このところ、忙しい中にもいくつか講演を頼まれています。今日は、糖尿病関係の講演でした。最近、糖尿病薬の進歩はめざましく、今までは血糖コントロールをいかにするかが全てでしたが、新しい薬は糖尿病から引き起こされる腎不全や心不全、心血管イベント(狭心症や心筋梗塞など)を抑えることができる時代になりました。貝原益軒の言葉で「知って行わざるは知らぬと同じ」という格言があります。新しい糖尿病治療薬でそういう素晴らしい効果がどんどん発表されている中で、その薬を使わない手はありません。血糖(ヘモグロビンA1c)が上がった下がったと一喜一憂するだけでなく、どの薬を使って血糖を下げたかで予後に大きく差が出てくるのです。全員につかえるわけではないのですが、私はこの薬がよさそうだと思えば、ほとんどの方に処方しています。

    糖尿病で内服治療以外ではむかしからインスリンの注射があります。昔はインスリンの種類も少なく毎食前1日3回+寝る前などにもう一回という治療しかなく、注射針がいかに痛くないように改良されたとはいえ大変な負担でした。それが、遅効型インスリンというとてもゆっくり効くタイプのインスリンが出てからは一日1回注射+内服治療の組み合わせも可能となりました。そして、最近は週1回タイプの注射剤がでています。それぞれ、患者さんの病態に応じて使える場合と使えない場合がありますが、薬の進歩により随分治療が変わってきました。

    大観峰をバックに梅の花@一の宮