むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • コロナの抗原検査はサンプリング命

    当院の年末の診療は12月29日午前中までです。年始は1月4日から通常通りとなります。お休み中に薬が切れないようにお早めにご来院ください。

    最近、コロナが相当増えていますが、薬局に売ってある簡易キットをつかって自分で検査をされる方も多いようです。しかし、自分以外家族みんなコロナにかかった、みたいな状況で、自分は微熱があるけどキットで調べたら陰性だったからコロナではなかった、というのは9割方間違いです。そんなはずあるわけないです。家族みんな発熱して、そのうち一人だけが違うウイルス感染という可能性は相当低いです。それでは何が問題かというと、市販の簡易キットの精度も怪しいのですが、もっと怪しいのは自分で自分の鼻に綿棒を入れるときのサンプリングです。私たちはプロですから鼻の奥の涙が出るくらいのところまで思いっきり突っ込みます。正しく診断するにはサンプリングが命なのです。これを手抜きすると精度がぐっと下がります。しかし、自分で自分の鼻の奥まで綿棒を入れるのは怖くてできません。そもそも、鼻の奥の空間がどうなっているかという解剖学的知識のない素人が綿棒をどの角度でどの深さまで入れればいいかなんてわかりようもありません。看護師でも卒後間もない若い人は経験が少ないのでできないと思います。

    しかし、簡易キットの性能というのは同じサンプルで陽性は陽性、陰性は陰性と正しく出るかどうか(感度と特異度)が問題視されており、サンプリングがどれだけきちんとできるかはあまり問題視されていない気がします。そこで、一つだけ大切なことを書いておきますが、鼻の穴は上の方向(目の方)に向いていません。綿棒を上向きに突っ込んでも行き止まりです。鼻の穴は顔に垂直に喉の方向へ空いています。口から喉をみるのと同じ向き(ベクトル)で鼻の穴からのど方向へ空間が広がっていますので、綿棒はそちらへ進めてみてください。

    高森 月廻り温泉