むらかみ内科クリニック

院長ブログ

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  • 養生こそ大切

    今週から、先日開催された東洋医学会総会のオンディマンド配信が始まりました。学会期間中はリアルタイムの講演を聴くのと、一般演題がオンディマンドで配信されていましたが、今度はシンポジウムやランチョンセミナーなどすべて見ることができます。私にとっては宝の山です。全部見たいのですが、時間がありません。ご飯を食べながら、朝新聞を読みながらと全ての時間を講演を聞く時間に当てています。これが、学会がWEB配信だからこんなに勉強できますが、リアルの学会だったら週末ちょこっと会場に行って参加費を払ったら、全国の知り合いの先生と会って挨拶をしたりお茶をしたりで勉強どころではありません。今までなんてもったいないことをしていたんだと思います。

    漢方の学会なのに、漢方を出すより大事なことがあると力説する先生の特別講演がありました。その、大事なものとは「養生」です。例えば、お腹が冷えて痛んだり下痢する人にお腹を温める漢方を処方するのは漢方専門医なら当たり前です。しかし、それより何よりお腹や足を冷やさないようにすること、冷飲食を避けること、足湯などをしてからだをあたためること、など自分の体調や体質を理解して間違えた生活習慣を避け、養生することが大事だとのこと。ごもっともです。しかし、私たちの通常の診療で、なかなか生活習慣の指導までは行き届きません。例えば糖尿病の人に甘いものを食べないように、果物や飲み物も気をつけるようにとは言いますが、漢方養生の話までは十分できていないなーと反省しきりでした。

    一方、当院通院中の80も過ぎた糖尿の方で、、ヘモグロビンA1cが7.2でした。通常7を切ることを目標としますが、80も過ぎてそこまで頑張らなくても十分です。8を切っていれば十分なのですが、その方は若い頃に指導されたことが頭から離れず、かなり食事を気をつけて何も食べていないのにA1cが下がらないのはどうしましょう、と言われます。「そんなこと気にせず食べたいものを食べてエンジョイしましょう。今こそ思い残すことないくらい自分にご褒美をあげましょう」と言いたいのですが、言っても聞いてくれそうにないので言いませんでした。