むらかみ内科クリニック

院長ブログ

BLOG

  • 抗原検査の落とし穴

    夕方6時に診療が終わるのですが、今日はその時間まだ空がうっすらと明るく、春の予感を感じました。日がだんだん伸びてきたのが実感されます。暦の立春ももうすぐですから、私は暦より一足先に季節の移り変わりを感じたわけです。日が伸びたとはいえ、二月は一番寒い時期なので油断できません。身の回りではコロナに感染したという人の話をちらほら聞くようになりました。だいぶ身近になってきました。このレベルになると、飲食店でうつるというより家庭や職場での感染でしょう。いつまでも飲食店だけに責任を押し付けてはいけません。

    まずは、皆さんにお願いしたいのですが、熱があったり、熱がなくても風邪っぽくて喉や鼻の調子が悪いとか咳が出る時には仕事や学校には行かないでください。軽症なら病院にも来る必要はありません。葛根湯とカロナール(熱冷まし)程度を常備しておいてそれで4−5日しのいでください。PCRはともかく、抗原検査は陽性を陽性と判定する確率(感度)が7割程度です。あとの3割は本当は陽性でも間違って陰性と判定されます(これを偽陰性という)。これは、タイミングの問題だったり、検体の取り方(綿棒の突っ込み方)など手技的な問題です。そこで、熱と風邪症状があって検査したら陰性だったから、コロナじゃなかった、と安心してうろうろで出歩いたり出勤したりするのはやめましょう。そういう人が感染を拡大しています。抗原検査は感度が悪いので、陽性を陽性とはっきりさせるのは正確ですが、陰性だったからコロナではないとはいえないのです。

    従って、抗原検査の結果を絶対のものと考えること自体危険です。風邪症状があれば出勤しない、登校しないこと。検査は必須ではありません。みんな、風邪症状があればコロナにかかったつもりで外出を自粛すること。これしかないと思います。