むらかみ内科クリニック

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  • コロナ後遺症の診療やってます

    水曜日、帰宅してすぐ、小太郎漢方主催のWEB講演会に参加しました。演題はコロナ後遺症の漢方治療というタイムリーな話題です。素晴らしいお話でした。そしてこの講演を聴いて、後遺症で困っている人はたくさんいるし、西洋医学では太刀打ちできない多彩な症状は漢方の出番だと確信しました。

    後遺症で多いのは倦怠感、味覚・嗅覚障害、長引く咳、脱毛、不安・うつなどです。無事退院できても、このような症状が半年から1年続くと、結構大変です。しかも、こういう症状を治療する医療機関がほとんどありません。当院では以前より慢性疲労症候群の漢方治療をやっていますし、心療内科で不安や抑うつも日常診療しているため、ほとんどの後遺症をカバーできると思います。実際、すでに何名かコロナの後遺症で通院中の方がおられますが、皆さんだいぶ元気になってきています。「私がやらねば誰がやる」という気持ちになりました。

    難しい症例では、処方も複雑になりがちですが、熊本では漢方薬は2剤までしか保険が通りません。日本全国同じ医療制度のはずなのに、保険が通るかどうかは都道府県で異なるという不思議な現実があります。福岡や東京ならもっと自由度が高いのですが、田舎はそういうわけにはいかないのが現状です。したかないので、煎じ薬その他の組み合わせでできるだけ経済的負担及び労力をかけずに治療効果を上げる工夫をしています。当院は熊本県で唯一の東洋医学会指定研修施設であり、その社会的責務としてコロナ後遺症診療に積極的に取り組みたいと思います。